2020年4月15日付の国立標準技術研究所（NIST）による標記発表の概要は以下のとおりである。

商務省（DOC）のNISTと大統領府科学技術政策局（OSTP）が共同で、COVID-19との闘いで研究に役立つ検索エンジンの開発を支援する取り組みを開始した。このプロジェクトは、ホワイトハウスの「新しい機械可読COVID-19データセットに関する技術コミュニティへの行動要請」（Call to Action to the Tech Community on New Machine Readable COVID-19 Dataset）に対応して開発されたものである。

この取り組みで、NISTは、アレン人工知能研究所、国立医学図書館（NLM）、オレゴン健康科学大学（OHSU）、テキサス大学健康科学センター・ヒューストン校（UT Health）と協力する。チームは、「テキスト検索会議」（TREC）と呼ばれる、専門家関与と技術評価の成功した長期実行プログラムを、COVID-19およびコロナウイルス科のウイルスに関する4万4,000を超える研究論文と関連リソースであるCOVID-19 Open Research Dataset（CORD-19）に適用する。TREC-COVIDプログラムの目標には、データセットの作成および独立した評価プロセスの使用が含まれる。これにより、検索エンジンの開発者は、研究コミュニティや医療コミュニティのニーズを満たすためにシステムを評価し最適化することが可能となる。

チームは最初に、チームメンバーによって開発された、生物医学研究コミュニティ向けの一連のサンプルクエリをリリースする。TREC-COVIDに登録された参加者は、情報検索および探索システムを使用して、CORD-19ドキュメントセットに対してクエリを実行し、その結果をNISTに戻す。生物医学専門家は、文書の関連性のランキングを含むテスト結果を確認して、検索システムの全体的な性能を評価する。

これらの「テストコレクション」は、情報検索研究者が自身の検索エンジンの性能を評価・強化するために使用できる。この取り組みは、現在のパンデミックのように、利用可能な情報が急速に発展している場合に、どのようにすれば検索システムが医療研究者を最もよくサポートできるかを情報検索研究者が理解できるようにすることを目的としている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]