[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2020/04/27
抄訳記事公開日:
2020/06/18

コロナウイルス禍からの立ち直りに際して欧州イノベーション会議に期待される強力な役割

Top innovation leaders envisage a strong role for the European Innovation Council in coronavirus recovery

本文:

2020年4月27日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。

このほど発表された欧州イノベーション会議(EIC)諮問委員会のビジョン・ステートメントによると、コロナ危機後の欧州が強力であるためには、持続可能な人間中心のデジタル未来を生み出す革新的なイノベーションに投資を向ける必要がある。一流の起業家、研究者、投資家、イノベーション専門家で構成される同諮問委員会は、「責任ある包括的な方法でイノベーションを支援」するべく、新たな欧州方式に先鞭をつけることで、EICが明確な先見性を持ったアイデアを選択する投資機関となる必要性を強調している。EICが民間市場から300億~500億ユーロを集めて、欧州全域で技術投資や企業成長の劇的変革を図るには、少なくとも欧州委員会が提案したレベル(2021~2027年 Horizon Europe に100億ユーロ)の予算が重要であることを、諮問委員会は強調している。

● 諮問委員会がビジョン・ステートメントで示した3項目の結論

  • グローバルな課題に対する欧州の解決策
    EICは、欧州の価値観と倫理基準を取り込んだ責任ある包括的な方法で、関連するイノベーションを支援する欧州独特の方式を先駆的に実施する。EICは、先進的な科学技術研究プログラムを新興企業や中小企業向けの加速プログラムと組み合わせ、従来の助成金支援を株式投資専用の資金と統合して、1つのイノベーション・コミュニティを構築するという点でユニークである。EICは、欧州研究会議(ERC)が研究者向けにそうであるのと同様に、インパクト志向のイノベータにとって卓越性の証明になる。
  • 100億ユーロの予算が300~500億ユーロのインパクト投資を呼ぶ
    過去9か月だけでも、7,500を超える新興企業・中小企業がEICパイロットで200億ユーロ以上を申請した。この申請金額の半分は自己資本調達向けで、初期段階の高リスク投資における巨大な市場ギャップを示している。これまでのところ、EICの新興企業・中小企業に対して1 ユーロを支援することで、2.4ユーロの追加投資を誘引している。EUおよび国の研究・イノベーション・プログラム全体にわたり、他の投資の潜在的な効果を実現するには、EIC予算も最大化する必要がある。
  • 先見性のあるアイデアを有する者にとって最適な投資機関
    EICは忍耐強く備える必要があり、特に科学主導のディープテックなど画期的な技術研究にありがちな失敗を受け入れる必要がある。EICのファンディングでは、ディープテックの学際的な研究を支援する必要があり、起業家中心でなければならず、シンプルさとイノベータのニーズに絶えず注視する必要がある。EICは単なるファンディング機構ではなく、採択された応募者に対して研究の初期段階から実証・規模拡大に至るまで、高度の指導や助言をする必要がある。

● EIC諮問委員会について

ECが任命した本諮問委員会は、起業、ベンチャーキャピタル、科学技術の各界出身の22名のイノベータで構成され、現行30億ユーロのEICパイロット(2018~2020年)の実施および Horizon Europe の下での EIC の全面的な立ち上げについて、欧州委員会に戦略的助言を行う。今回のビジョン・ステートメントは、本諮問委員会の最初の公式声明であり、今後数か月内にビジョンの実装方法についてさらなる助言をする予定である。

2018年6月、ECは最も野心的な研究・イノベーション・プログラム Horizon Europe を提案した。2021~2027年のその予算は1,000億ユーロである。2019年3月、欧州議会とEU理事会は、Horizon Europe について暫定合意に達した。Horizon Europe の主たる新規性は、予算100億ユーロの欧州イノベーション会議(EIC)の設立である。EICに関する欧州議会およびEU理事会の合意は、Horizon Europe に関する共通理解の一部として達成された。EICのパイロット・フェーズは2017年10月に開始され、2019年3月に強化された。研究者、新興企業、事業拡大企業など欧州の最も刺激的なイノベーションのファンディングを目的とする。

[DW編集局]