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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2020/05/13
- 抄訳記事公開日:
- 2020/06/29
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研究とイノベーションはドイツの強み
- 本文:
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5月13日連邦政府が「研究とイノベーション報告書2020」を決議、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
連邦政府は2020年度版の連邦報告書「研究とイノベーション報告書2020」を決議した。二年毎に発表される同書はドイツの研究とイノベーション政策の現在の体制、優先事項、目標等を報告している。これに関してカルリチェクBMBF大臣は以下の通り発表した:
「ドイツは多くのイノベーション領域における研究助成により世界的でトップに立っている。しかしながら、過去の成功は将来の保証となるものではない。ドイツはイノベーション国であり、イノベーション国であり続けたいと思っている。ドイツのイノベーション力を保持できるよう集中して取り組んでいく。
新型コロナウイルスのパンデミックのまっ只中にあるが、今こそ前を向かなければならない。危機を迎えた時点よりも、もっと強くなって危機を脱したい。それを達成するには、優れた教育、強力な研究、充分なイノベーション力を持っていなければならない。2020年代は教育、研究、イノベーションの10年となる。
今回の連邦報告書によれば、ドイツは2025年にはGDPの約3.5%を研究とイノベーションに投資するという目標に向かって順調に進んでいる。2018年度の数字は、総研究開発費が既にGDPの3,13%に達したことを示している。2018年に官民合わせて1,050億ユーロを研究開発に投資した。これはかつてない数字である。そして、研究開発における雇用者数の上昇を確認した。2018年では約70万8,000人であり、12年間で45%の増加となっている。経済を再び軌道にのせるために正しい刺激策を講じなければならない。そのために経済およびイノベーションのプログラムについて議論していく。
将来を見据え、未来への期待を持たせるようのものにしなければならない。連邦政府は毎年、インフラ、教育および研究に対し約400億ユーロを投資している。私は2021年から2023年までにその半分をさらに上乗せしたいと考えている。当然のことながら、財政的に容易ではない時代に直面していることは充分承知している。しかしながら、今本当の優先事項の設定が求められている。
ここで焦点となる3つの領域を挙げたい:
・デジタル化と技術主権
デジタル利用においては、大きな潮流が明らかとなっており、特に学校領域でこれを目の当たりにする。同時に、今こそ技術的に大きな飛躍を遂げる時である。欧州は健全でグローバルな競争のため世界の他の地域に対して技術的主権を必要としている。・医薬品研究
ドイツはかって世界の「薬局」であった。この目標を再び視野に入れることは、医薬品開発に、将来の医薬品製造の一環として、高い優先順位を与えることを意味している。このテーマは我が国がEU議長国(2020年下半期)の間に強調されることになるであろう。・気候に優しい技術の開発
環境保護の前進のために、再生可能な持続的エネルギーの供給を必要とする。グリーン水素はこれを可能にする未来のエネルギー源であると考える。環境に優しく風力および太陽エネルギーから生産されるもの、それは長きにわたり持続的であるグリーン水素だけである。ドイツはグリーン水素経済の構築に大胆な目標を設定することによって世界的にこの未来フィールドでトップに位置することができると確信する。近代化、デジタル化、持続的経済対策等は今後数週、数か月の急務である。研究とイノベーション報告書2020が示す通り、我々はこれまでよりも明確にイノベーションを重視しなければならない。」。
背景:
研究とイノベーション報告書2020(BuFI)は、過去2年間にドイツにおいて導入された研究およびイノベーションに関する全てのプログラムの概要を示したものである。同時に連邦政府の将来の研究およびイノベーション政策を展望している。
[DW編集局]