[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2020/04/23
抄訳記事公開日:
2020/06/29

エネルギー長官が包括的核燃料戦略を発表

Secretary Brouillette Announces The Nuclear Fuel Working Group's Strategy To Restore American Nuclear Energy Leadership

本文:

2020年4月23日付のエネルギー省(DOE)による標記発表の概要は以下のとおりである。

ダン・ブルイレット(Dan Brouillette)DOE長官はこのほど、2019年7月12日にトランプ大統領によって設置された「米国核燃料作業部会」の成果である戦略文書を発表した。

同戦略は、原子力のポジティブな属性を強化し、ウランの採掘、製錬、転換産業の能力を復活させ、米国の技術優位を強化し、輸出を促進する一方で、米国による不拡散の目的との整合性を確保し、国家安全保障を支援するものである。

標記戦略では次のことを提言している。

  • ウランの採掘・転換産業を強化し、核燃料サイクルのフロントエンド全体の能力を回復するべく、迅速かつ大胆な施策を実施すること。
  • 米国の技術イノベーションと先進原子力研究開発実証投資を活用して、技術の進歩を強固にし、次世代の原子力エネルギー技術における米国のリーダーシップを強化すること。
  • ウラン採掘業者、燃料サイクル・プロバイダー、原子炉ベンダーがその製品・サービスを販売できる、健全で成長する原子力セクターの存在を確保すること。
  • 国有企業と競合する民間原子力技術の輸出において、米国原子力産業を支援するべく政府全体で取り組むこと。

米国には現在、国内のウラン供給に関して将来の明確な防衛ニーズが2つある。2040年代に核兵器向けのトリチウムの生成に必要な低濃縮ウランと、2050年代に海軍の原子炉に燃料を供給するために必要な高濃縮ウランである。

標記戦略はまた、米国の国家安全保障が核燃料サイクルのフロントエンドの健全性と真に一体であることを認識している。米国は国防の実現に強力な民間原子力産業を必要としている。米国の核不拡散体制の信頼性は、堅固な民間原子力産業の活力と健全性のほか、米国の原子力安全規制構造によって具体化された「世界をリードする基準」など、技術によるリーダーシップの立場に依存する。

最初の重要な措置として、大統領の2021年度のエネルギー省予算要求には、国内ウラン備蓄の再開に向けた1億5,000万ドルが含まれている。米国鉱山および米国のウラン転換工場からのウラン購入が開始されることになる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]