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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立衛生研究所(NIH)
- 元記事公開日:
- 2020/05/07
- 抄訳記事公開日:
- 2020/07/02
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COVID-19の治療・検査方法開発に関するNIHコリンズ長官の議会証言
- 本文:
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2020年5月7日付けの国立衛生研究所(NIH)フランシス・コリンズ長官(F.S.Collins)による連邦議会上院保健・教育・労働・年金委員会での標記証言の概要は以下のとおりである。
私は本証言で、NIHと全米の科学者が、新型コロナウイルスの予防、診断、治療のために、イノベーションをどのように活用しているのかを説明する。
SARS-CoV-2、即ちCOVID-19を起こすウイルスの遺伝子配列が2020年1月10日に最初に公開されたとき、NIHは可能性のある治療薬を特定し、ワクチンの開発を開始するために迅速に働いた。そして、1ヶ月後、国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)は、レムデシビルの臨床試験を開始し、先週予備的な結果が報告された。これは画期的なことであり、COVID-19治療薬の有効性を初めて示したものである。3月16日、NIAIDはワクチン候補の前臨床評価をすべて完了し、第I相試験で最初のヒト患者に投与された。4月17日、NIHは、疾病対策センター(CDC)、生物医学先端研究開発局(BARDA)、食品医薬品局(FDA)、退役軍人省(VA)、国防総省(DOD)を含む16のバイオ医薬品企業、学術専門家、政府パートナーとの「COVID-19治療的介入とワクチンの加速」(ACTIV)パートナーシップを開始した。このイニシアチブは、同定済みの約170種類の治療用化合物と50種類以上のワクチン候補について科学的なレビューを行い、また、最優先候補を試験し、FDAのレビューに役立つ評価方法の標準化のために、臨床試験のキャパシティを最大化している。
さらに、先週、NIHがRADx(Rapid Acceleration of Diagnostics)と呼ばれるイニシアチブを立ち上げた。現在のウイルス検査はPCR を用いたものだが、検査に時間がかかり、またその取扱いが難しく専任スタッフが必要である。これに対し、RADxは診断技術の範囲を拡大し、検査へのアクセスを迅速に拡大できるような斬新なアプローチを目指している。目標は、2020年の夏の終わりまでに、週に何百万もの正確で使いやすい検査を全米国人が利用できるようにし、インフルエンザのシーズンにはさらに多くの検査が間に合うようにすることである。これは野心的な目標だが、NIHでは、世界の最高の頭脳を結集することが、この課題を達成し、このウイルスを制御下に置く唯一の方法だと信じている。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]