[本文]

国名:
英国
公開機関:
英国王立協会
元記事公開日:
2020/05/04
抄訳記事公開日:
2020/07/06
元記事の言語:
英語

COVID-19によるロックダウンが研究および研究者に与える影響

Science in Lockdown: the effects of COVID-19 on research and researchers

本文:

英国王立協会は2020年5月4日付のブログで、世界各地の研究者の声を伝えている。その中から今回のロックダウンにおける、研究や研究者への影響で、ポジティブな側面とネガティブな側面をそれぞれ例示的に拾って以下に要約する。

● ポジティブな側面

  • 自宅から教育・研究活動を維持することを目的とした変革的な方策を開発・実施しながら、在宅教育の公平さを保つことは、特に挑戦的な課題であった。短期間のうちに新たな常態に慣れ、新たな働き方を学習し、技術的解決策を採り入れ、仕事のやり方も簡素化された。管理業務の負担が強制的に軽減され、会議も短くされたので、有益な心的空間が生まれ、ストレスが軽減された。労働時間の削減にも関わらず、研究の生産性は向上が見られる。考える時間、集中する時間、反省する時間を持つことで、より高い品質の成果と仕事の満足度がもたらされる。(英国、サザンプトン大学、Martin Solan教授)
  • 世界中の多くの科学セミナーや会議もオンラインに移行しており、学生は他の任務と衝突することなくそれらをフォローすることができる。学生も私も、結局可能な限り最高の知的環境を整えることが出来、これは世界中の学者たちによる共有の取り組みのおかげである。(スウェーデン、ルンド大学、Andrea Idini 数理物理学博士)

● ネガティブな側面

  • パンデミックは停滞をもたらした。研究室はやるべきことと正常性の感覚に関して絶望的である。ある研究リーダーは複数のフィールド・プロジェクトを中止しなければならず、求人を取り消さざるを得なかった。(米国、アーカンソー大学生物科学部、Sarah DuRant博士)
  • 北極圏の現地コミュニティ、および両極地域の研究基地は、それらの孤立性、限られた医療やインフラの故に特に脆弱である。SARS-CoV-2 の感染、COVID-19 の拡散をこれらの場所で回避することが不可欠である。(英国、ブリストル大学地球科学部、Kate Hendry博士)
  • 直接の対面実験を行うことができず、またZoomラボの会議は新しいアイデアを生み出す自然発生的な相互作用を代替できるものではない。(英国、サセックス大学サックラー意識科学センター、Anil Seth教授)
  • このパンデミックは、有期契約の初期キャリア研究者(ECR)に過度の影響を及ぼす。彼らは、2つのルートで打撃を受ける可能性がある。1)進行中のプロジェクトの中断/損失、2)雇用凍結によるキャリア機会の欠如。これは、将来的には数少ないポストをめぐる競争の激化により悪化する、(英国、イーストアングリア大学生物科学部、Alexei Maklakov教授)
  • この状況がさらに長く続く場合、ファンディングの減少の影響で、我々のグループは縮小することになる。(英国、ブリストル大学工学部、Bruce Drinkwater教授)

[DW編集局]