[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立医学アカデミー
元記事公開日:
2020/05/15
抄訳記事公開日:
2020/07/08

COVID-19流行の拡大抑制策の緩和:判断基準、課題、将来の課題

Pré-rapport de l’Académie nationale de médecine : Les phases de l’épidémie du COVID-19 : critères, défis et enjeux pour le future

本文:

2020年5月15日付国立医学アカデミーの標記発表の概要は以下のとおり。

Covid-19 対策に特段の重点を置くことで、現在の状況がもたらす他の健康への影響(メンタルヘルスの問題、家庭内暴力、慢性疾患の予防的ケアや治療へのアクセスの欠如など)、さらには経済的または倫理的考慮事項を無視してはならない。この文書の目的は、流行の拡大を抑制するための現在の主要なツールとしての一般的な封じ込め策や対人距離確保への依存から抜け出すべく、最小限の基準を意思決定者に提案することである。必要とされる要件は次のとおり。

  • 拡散区域および住民の曝露と免疫の割合を特定する最適なデータ
  • 感染の早期発見、症例の封じ込め、適切な医療用品供給の備えに必要な医療システムの能力向上
  • より適切に組織化された治療的・予防的アプローチおよび医療行為。これにより、最も脆弱な人々(高齢者、過体重、肥満、糖尿病、免疫不全など)や病気に最も影響を受けやすい人々を保護・治療するために必要な手段を提供する。

● 第1段階

拡散の速度を抑制することを目標とする。これは、流行の拡大に対応するために現在実装されているものである。部分的封じ込めとなる次の第2段階に移行するための基準として同時並行の4つの基準(症例数の減少が少なくとも14日間など)が導入されている。

● 第2段階

部分的封じ込めの段階で、次のことを目標とする。

  • 慎重かつ思慮深い方法で厳格な対人距離確保措置を解除する。
  • 大多数の企業や学校の再開を許可する。
  • 第1段階に戻らないように COVID-19 の感染を引き続き抑止する。

制御不能な問題が発生した場合、前の第1段階に戻って局地的又は全体的に流行の減速措置が不可欠である。その場合の適用基準が示されている。一方第2段階で成功した場合は、次の段階に移行するための基準が示されている。

● 第3段階

制約を取り除くために免疫(ワクチン等)や治療による防護体制を確立する。

● 第4段階

現在の流行の後遺症の処理を行い、次なるパンデミックに備える。

※ このノートに含まれている、流行からの最適な移行のための特定のマイルストーンとベンチマークは、現在の知識に基づいた推定値である。流行は急速に進展しており、最良の対応という概念も進化する。ここで説明する一連のタスクは、より多くの事実、新しいコンテキスト、流行に関する追加情報が利用可能になったときに、更新・改善する必要がある。

[DW編集局+JSTパリ事務所]