[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2020/06/10
抄訳記事公開日:
2020/08/03

EUが新型コロナウイルスに関する偽情報対策を強化

EU strengthens action to tackle disinformation

本文:

2020年6月10日付欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり。

欧州委員会と上級代表は、新型コロナウイルスのパンデミックに関する偽情報対策の現状を評価し、前進させるための方策をこのほど提案した。新型コロナウイルスのパンデミックは、EUの市民や議論に影響を与えることを目的とした外国の実行者による試みなど、誤った又は誤解を招く情報の大規模な波を伴っている。今回の共同発表では、即時の対応策を分析し、迅速に実行できる具体的な行動を提案している。

今回の危機は、EUとその民主主義社会が偽情報の課題に対する対処方法を示すテストケースになっている。次に示す側面は、EUをより強力で回復力のあるものにするための鍵となる。

● 実態把握

まず、違法なコンテンツと、有害ではあるが違法ではないコンテンツを区別することが重要である。次に、さまざまな形式の誤った又は誤解を招くコンテンツと偽情報の間には曖昧な境界がある。意図的なものとして定義される偽情報から、意図的ではない可能性がある誤った情報までがある。動機は、外国の実行者によるターゲットを絞った影響操作から純粋な経済的動機までさまざまである。これら課題の各々について調整済みの対応が必要とされる。さらに、公衆の監視のためにより多くのデータを提供し、分析能力を向上させる必要がある。

● 連絡・広報

危機の間に、EUは市民にリスクについて広報し、偽情報対策で他の国際的な関係機関との協力を強化するなどの取り組みを強化している。欧州委員会は、700万回以上閲覧されている新型コロナウイルスに関する作り話に反駁している。欧州対外行動局(EEAS)は欧州委員会と共同で、EUの近隣諸国を含む第三国での戦略的広報と広報文化外交を強化した。外国の実行機関や特定の第三国、特にロシアと中国は、EUおよびその周辺地域、そして世界的に、標的を定めて影響力を及ぼす活動や偽情報キャンペーンに従事している。

● 偽情報対策における協力

  • 欧州議会、欧州理事会との協力、EU機関間・加盟国間の協力
  • 世界保健機関(WHO)等国際機関との協力
  • EUは第三国の市民社会組織、独立系メディア、ジャーナリストへの支援・援助を強化する
  • 欧州委員会は引き続きオンライン・プラットフォームと協力して、消費者保護法を侵害する慣行に対処するべく、各国当局の消費者保護協力ネットワークを支援する。

● 透明性

欧州委員会は、偽情報に関する行動規範に基づいてオンライン・プラットフォームの行動を綿密に監視している。プラットフォームは、信頼できるコンテンツを促進し、ユーザーの意識向上を図り、コロナウイルスの偽情報とそれに関連する広告を制限するべく、行動に関するより詳細なデータを含む月次レポートを提供する必要がある。新たに設立された「欧州デジタルメディア観測所」の作業に基づいて、EUはファクト・チェッカーと研究者への支援をさらに強化する。

● 表現の自由と多元的民主主義的議論の確保

● 市民の権限強化、市民の意識向上、社会の回復力強化

[DW編集局]