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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2020/06/15
- 抄訳記事公開日:
- 2020/08/11
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欧州防衛基金:EUの戦略的自治と産業競争力強化に2億500万ユーロ
- 本文:
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2020年6月15日付欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり。
欧州委員会はこのほど、16件の汎欧州防衛産業プロジェクトと3件の破壊的技術プロジェクトを発表した。これらは、欧州防衛基金(EDF)の本格稼働に向けた2件の先駆的プログラム(防衛研究に関する予備的施策(PADR)および欧州防衛産業開発計画(EDIDP))を通じて2億500万ユーロの資金支援を受ける。
今回発表された結果は非常に良い結果であり、EDFが目的としているモデルへの適合が確認できる。注目すべき主な要素は次のとおりである。
【EDIDP】
- 非常に人気のあるプログラムである。合計で441の機関が応募し、40件の提案に繋がっている。16件の提案の223機関が支援を受ける。
- 地理的に広い範囲をカバーしている。プロジェクトには加盟24か国の機関が参加する。
- 中小企業の参画が多い。中小企業はファンディングを受ける全組織数の37%(83社)を占め、特定の中小企業公募や中小企業専用の報奨金の重要性が確認される。
- 協力へのプラス効果がある。今回選抜されたプロジェクトには、平均で加盟7か国から14機関が参加している。
- 他のEU防衛イニシアチブ、特に恒久的構造化協力(PESCO)との完全な一貫性がある。今回ファンディングを受ける9件の提案は PESCO プロジェクトである。
- EUの戦略的自治への貢献。今回の提案は、能力開発計画を通じて欧州レベルで加盟国が合意した主要な能力優先課題と一致している。
- 第三国が管理する子会社に開放。今回の結果は、第三国または第三国の組織の管理下でEUに拠点を有する子会社が(加盟国が承認した適切なセキュリティベースの保証を満たしている場合には)、関与する可能性を示している。カナダ、日本、米国の組織によって管理されている4参加機関の場合がそうである。
【PADR】
- 破壊的技術への支援。PADRは、予算の最大8%を破壊的技術に割り当てるEDF に備えるべく設計された専用の公募で、破壊的技術に特化した3件のプロジェクトを初めて支援する。
今回発表されたプロジェクトは、次のような欧州防衛能力の開発を支援する。
- 小型無人偵察機(ドローン)および関連技術(探知が困難な戦術的ドローン、軍用ドローンの探知および回避用システム、ドローン用の最先端のコンピューティング・プラットフォーム)
- 宇宙技術(ガリレオ衛星の軍事グレードの暗号化受信設備、小型衛星用の軍事グレードの光学ペイロード、衛星監視用のビッグデータ・システム)
- 無人地上車両
- 高精度ミサイル・システム(BLOS:対戦車ミサイル)
- 将来の海軍プラットフォーム
- 空中電子攻撃機能
- 戦術的で安全性の高いネットワーク
- サイバー状況認識プラットフォーム
- 次世代の能動的ステルス技術
[DW編集局]