[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2020/07/21
抄訳記事公開日:
2020/09/23

NSFが量子情報科学の重要課題に取り組むべく新規3研究所を設立

NSF establishes 3 new institutes to address critical challenges in quantum information science

本文:

2020年7月21日付の国立科学財団(NSF)による標記発表の概要は以下のとおりである。

NSFは量子情報科学・工学における未解決の問題に取り組むべく、「量子飛躍チャレンジ研究所(Quantum Leap Challenges Institutes)」プログラムを立ち上げた。そしてこのほど、NSFは大統領府科学技術政策局(OSTP)と協力して、今後5年間でこれらの問題を解決する上で明確なインパクトを生み出すように構想された新規 3 研究所に対して、7,500万ドルの支援を発表した。

● 相関的量子状態を使用したセンサーおよび情報利用研究所(NSF Quantum Leap Challenge Institute for Enhanced Sensing and Distribution Using Correlated Quantum States): 放射レベルから重力の影響まですべてを測定できる量子センサーは、従来のセンサーよりも感度が高く正確である。コロラド大学が率いるこの研究所は、精密測定におけるさまざまなアプリケーション向けの量子センシング技術を設計、構築、採用する。

● ハイブリッド量子アーキテクチャおよびネットワーク研究所(NSF Quantum Leap Challenge Institute for Hybrid Quantum Architectures and Networks): より堅牢な量子プロセッサの開発が、量子情報科学・工学における重要な課題である。イリノイ大学が率いるこの研究所は、小規模な量子プロセッサが相互接続されたネットワークを構築し、実用的なアプリケーションに向けてそれらの機能をテストする。

● 現在および将来の量子コンピューティング研究所(NSF Quantum Leap Challenge Institute for Present and Future Quantum Computing):現在のプロトタイプの量子コンピューターは、初歩的でエラーが発生しやすく、小規模である。カリフォルニア大学バークレー校が率いるこの研究所は、これらから学び、高度で大規模な量子コンピューターを設計し、現在および将来の量子コンピューティング・プラットフォーム用の効率的なアルゴリズムを開発し、最終的には量子コンピューターが考え得る最高の古典的コンピューターよりも優れていることを実証する予定である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]