[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2020/08/19
抄訳記事公開日:
2020/10/20

NSFが伝統的黒人大学のSTEM教育成功事例の研究センターを設置

NSF establishes new center to study successful undergraduate STEM education practices at Historically Black Colleges and Universities

本文:

2020年8月19日付の国立科学財団(NSF)による標記発表の概要は以下のとおりである。

伝統的黒人大学(HBCU)は学生の卒業率が高い。黒人大学生の8.5%がHBCUに通っているが、黒人のSTEM(科学・技術・工学・数学)学士号のほぼ18%がHBCUから授与されている。最終的に博士号を取得した黒人大学生が卒業した上位8機関のうち7機関がHBCUであり、博士号を取得した全黒人学生の3分の1が、HBCUの学士号を取得している。

HBCUの成功事例を研究しモデル化するべく、NSFは、これらの実施例を高等教育に広く適用することを目的として、HBCU STEM 学部成功研究センター(STEM-US)を設立する。収集されたデータは、HBCUによって提供される教育擁護と社会的支援がどのようにして幸福感を高め、STEM卒業生の割合が高くなり、最終的にはSTEM博士号が獲得できるか、の説明に役立つ。

NSFは、モアハウス大学、スペルマン大学、バージニア州立大学の研究者が率いるこのセンターの設立に900万ドルの助成を行う。研究者らは、メインストリーム教育の変革を目的として、HBCU 50校の参加拡大成功実施例を調査し、証拠に基づく介入を展開する。

上記センターによって作成された知識基盤によって、HBCUは地域や国の教育改革において主導的な役割を果たすことが可能となる。STEM-USの中心的な狙いは、STEM学生の教育における不釣り合いな成功に関連する、HBCUの資産に基づくイメージを促進することにある。本センターは、国全体の研究トレーニングと教育を通じて、そしてSTEM教育におけるHBCUの遺産を活用して、米国のSTEM能力の強化を図る。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]