[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2020/08/27
抄訳記事公開日:
2020/10/27

NIHが新興感染症研究センターを設立

NIH establishes Centers for Research in Emerging Infectious Diseases

本文:

国立衛生研究所(NIH)の一部である国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)は、新興感染症研究センター(CREID)設立のために、初年度の総額が約1,700万ドルに上る11件の助成金を授与したと発表した。各センターのグローバルネットワークには、ウイルスやその他の病原体が、何処でどのようにして、野生生物やスピルオーバーから出現して人々に病気を引き起こすのかについての学際的な調査が含まれる。NIAIDは、ネットワークを支援するために5年間で約8,200万ドルを提供する。

ネットワーク内の各センターには、米国やその他の28か国の同等の機関との協力が含まれる。研究プロジェクトには、(1)これまで知られていなかったヒトの熱性けいれんの原因を特定するためのサーベイランス研究、(2)ウイルス性または他の病気の原因となる病原体の宿主動物の探索、そして(3)これらの病原体のヒトへの感染を可能にする遺伝的または他の変化の特定、が含まれる。

CREIDは、新興病原体の検出を向上させ、新興感染症等に対するヒトの免疫応答を研究するための試薬と診断分析を開発する。CREIDネットワークの幅広い研究プロジェクトにより、プロセスの複数のフェーズでの病気のスピルオーバーの研究が可能となる。病原体が最初に動物の宿主から出現する場合、野生の地域と人口の多い地域との境界において、ヒトからヒトへの感染が発生する。そして最終的には、都市部において感染拡大が発生する可能性がある。

各センターでは、世界の1つ以上の地域に焦点を当てる。たとえば、中南米では、ジカウイルス病、チクングニア熱、デング熱を引き起こすウイルスを含む、いくつかの節足動物媒介ウイルス「アルボウイルス」について研究される。東アフリカと中央アフリカでは、リフトバレー熱ウイルスと中東呼吸器症候群を引き起こすコロナウイルスが対象となる。西アフリカでは、アルボウイルスに加えて、エボラウイルスとラッサウイルスに関するプロジェクトが予定されている。アジアと東南アジアでは、コロナウイルスとアルボウイルスの研究が行われる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]