[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
新華通信社
元記事公開日:
2020/09/15
抄訳記事公開日:
2020/11/05

各地で模索の動きが高まる科学研究開示制度

谁能干就让谁干!多地探索“科研揭榜制”

本文:

近年、広東省・上海市・湖北省・雲南省・山東省などの地域において、さまざまな段階の「科学研究開示制度」を模索する動きが高まっており、いくつかの重要なイノベーションプロジェクトにおいて顕著な成果があがっている。 一方で「科学研究開示制度」は大手企業の関与促進、プロジェクトのスクリーニングメカニズムの改善、イノベーションリソースの広範囲なマッチングといった面において、依然として課題に直面しており、市場調査・開発のルールに従って、助成金額やプロジェクト評価などをさらに改善すべきである旨が指摘されている。

「科学研究開示制度」は、中央政府が2016年に、「必要とされるキー・コアテクノロジープロジェクト」を公表し、「能力のある者が開示する」という要件を打ち出したことに端を発する。近年では、中央省庁から一部の地方自治体に至るまで、「科学研究開示制度」を模索する動きが始まっている。

湖北省科学技術庁の周徳文副庁長によれば、「科学研究開示制度」とは、プロジェクトを広く宣伝し、技術の需要者と供給者間の情報の非対称性を解消することによって、産学官連携を効果的に後押しし、科学技術のイノベーションリソースの集積と統合を実現するものである。

広東省は、いち早く「科学研究開示制度」を模索していた省である。広東省科学技術庁は2018年10月、明確な目標を掲げている主要産業のコアテクノロジーや基盤技術について、「科学研究開示制度」という形で、最高の研究開発チームとソリューションを募り、最終的に8つのプロジェクトを推進した。
広東省の「科学研究開示制度」プロジェクトは、主に「技術の難関攻略」と「成果の実用化」という2つのカテゴリーに分かれる。

「技術の難関攻略」とは、企業が技術的難関や重要なニーズを提起し、これによって関連の科学研究機関は、狙いを絞ってそれらに取り組むことができるようになることをいう。「成果の実用化」の開示とは、高等教育機関や研究機関などが地域産業のニーズを満たせる成熟した科学技術上の成果を有している場合、科学技術庁が技術力と応用シナリオを有する企業を手配して、その成果を実用化することをいうが、いくつかの地方では開示制度を進めるに当たり、大手企業の関与度がまだ低い、プロジェクトのスクリーニングメカニズムに不備がある、イノベーションリソースのマッチングが幅広く行われていない、などの課題がある。

清華大学技術革新研究センターの陳勁主任は、「従来の産学官提携をベースとして、大中小企業・国営企業・民間企業による共同イノベーションを強化する必要がある。企業は、さまざまな高等教育機関の教員や学生に、科学技術イノベーションの課題をもっと開示し、企業と高等教育機関双方が『二つのエンジン』となって事業を牽引していくべきだと思う。また、民間企業や中小企業がコアテクノロジーや破壊的テクノロジーによるイノベーションに関与するよう導く取り組みをもっと強化していくべきである」と述べた。
また、湖北省科学技術庁の重要特別プロジェクト所の魏敏傑所長は、「科学研究開示制度」技術プロジェクトを地方で産学官連携を推進するための重要な手段として制度上の業務にすること、毎年定期的に申告を行うよう促し、5年に1回、政策上の総合評価の実施を継続していくことを推奨している。

〔DW編集局〕