[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2020/09/10
抄訳記事公開日:
2020/11/16

2021~2030年研究計画策定法案:議会での審議開始

Projet de loi de programmation de la recherche 2021-2030 : début du travail parlementaire

本文:

2020年9月10日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

2021~2030年研究計画策定法案に関する議会の審議が9月9日に始まった。本法案の作成は2019年に開始され、科学界の懸案に可能な限り沿う形で18か月以上にわたって準備された。職員を再評価し、科学的キャリアをより魅力的にし、研究室の日常を改善し、フランスに次なる危機(衛生、気候、社会)に対処する手段を与えるべく、研究への大規模な再投資をできるだけ早期に開始することが急務となっている。研究に特化した計画策定法案が出されるのはこれが初めてである。

計画策定の主要課題は次のとおりである。

  • 将来の課題に対処する資金を研究に提供する
  • 科学的キャリアの魅力を強化する
  • 社会と経済に研究を浸透させる
  • 研究室の人員の日常と研究室の運営を簡素化する

研究計画策定法案は、2021年初頭の施行を目標として、今秋の議会に提出される。

● 研究への大規模な再投資

この法案は、とりわけフランスの研究システムを支援するための大規模な再投資を規定しており、そのテコ入れ効果により、GDPの3%の達成という国家の研究努力目標に向かって進むことが可能になる。この目的で、2021年から2030年の間にさらに250億ユーロが研究に投資される。これは、第二次世界大戦以降、前例のないことである。

今後10年間で250億ユーロ(2021年に4億ユーロ、2022年に8億ユーロ、2023年に12億ユーロ…)の投資により、2030年には年間予算が、現在より50億ユーロ多い、200億ユーロ規模に増加する。

これにより、すべての職員の再評価、より大きな流動性、幅広いキャリアの見通しに基づいて、研究専門職の魅力に資する前例のない政策が開始される。それは、フランスの公的研究の新たな発展および社会全体や世界にその影響力をもたらすことを使命とする次世代の若い科学者の出現に力点を置いたものである。それは、研究者本来の任務に研究職員の時間を返すことを目的とした、一般的な簡素化プロセスの取り組みでもある。

● 科学者と共同で構築された科学者のためのプログラム

科学界・大学界は、研究計画策定法案の作成に大きく関与している。法案は、高等教育、研究、イノベーションに関与する人員向けに設計された、集団的貢献に基づいて作成された文書である。研究計画策定法案は、数十回の公聴会、大臣による多数の研究所訪問等を通じて、官民部門の関係者との労働組合による綿密な作業と18か月以上におよぶ協議の結果である。

[DW編集局+JSTパリ事務所]