[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)
元記事公開日:
2020/10/13
抄訳記事公開日:
2020/11/30

マイクロエレクトロニクスへの投資は報われている

Altmaier: „Unsere Investitionen in die Mikroelektronik zahlen sich aus“

本文:

連邦経済エネルギー省(BMWi)は、これまで5億ユーロ強をマイクロエレクトロニクス領域に投資しており、この結果に関するアルトマイヤー大臣の発言について、概略下記のような報道発表を行った。

ドイツは技術主権の拡大への道を大きく前進している。BMWiは2019年以降ドイツにおけるマイクロエレクトロニクス領域の研究、開発、実用化に約5億2,200万ユーロを投資してきた。

アルトマイヤー連邦経済大臣は次のように語った。「マイクロエレクトロニクスは5G、人工知能(AI)、自動走行、インダストリ4.0等の技術の成功にとって不可欠なものである。我々は的を絞ってマイクロエレクトロニクス領域の研究生産能力を拡大しながら、技術主権、そしてドイツと欧州の重要な産業領域における拠点としての長期的競争力を確保する。Covid-19パンデミックは欧州におけるノウハウおよびサプライチェーンを強化することの重要性を改めて示した。これまでも既に多くを達成しており、正しい道筋にあることを示している」。

「欧州が共に関心を抱く重要計画」(Important Project of Common European Interest: IPCEI)マイクロエレクトロニクスにおいて、18社のドイツ企業を支援する。最先端チップ工場の建設から、高性能かつエネルギー効率の高いマイクロエレクトロニクス部品の開発から大量生産の開始に至るまで、そして持続可能な雇用の創出を支援する。2022年までドイツ国内で総額36億ユーロのイノベーションが実現されようとしている。BMWiは10億ユーロでこれに参画する。

成果は明らかである。これまで投入された18拠点における助成金は、バーデンヴュルテンベルク、バイエルン、ノルトラインヴェストファーレン、ザクセンおよびチューリンゲンに既に確実な足跡を残している。ボッシュ社(Bosch), インフィニオン社(Infineon)およびドレスデンのグローバルファウンドリーズ社(Globalfoundries)等のチップ工場が新たに建設・拡大され、レーゲンスブルクのオスラム半導体工場、オーバーコッヘンのツァイス(ZEISS)光学ホール、ドナウエッシンゲンのAP&Sのラボ等も例として挙げられる。これらの近代的な製造工場は研究・製造のための高度なクリーンルームを備えている。その面積は合わせてサッカー場数面に相当する。最新の設備を備え、高度に熟練した作業者によって半導体業界での高度な品質要求にも対応している。こうした計画の一つに、ドレスデンのロバート・ボッシュSMD 社の新しい、高度に自動化された300 mm半導体工場がある。これはインダストリ4.0原則による「デジタル・ビルディング」として設計されたものである。およそ1万平米の大きな円形のクリーンルームおよび工場のインフラは2019年末に完成した。現在、全ての技術的な設備等が順次稼働を開始している。最初の製造プロセスは始動しており、チップ製造は2021年開始を予定している。

これら企業は多数の革新的なマイクロエレクトロニクス・デバイスや技術を開発することができ、それらは例えば医療技術での応用あるいは自動走行の分野等で利用することができる。これらの数多くの開発は、欧州をはじめ、世界的な基準となり、既に特許保護の下にある。

IPCEI マイクロエレクトロニクス
「欧州が共に関心を抱く重要計画」(IPCEI)マイクロエレクトロニクスにおいてドイツ、フランス、イタリア、英国は共同で欧州の能力・ノウハウの維持・拡大に取り組んでおり、政府資金として総額17億5,000万ユーロを投資する。欧州全土の企業合計29社がこの計画に参画している。その中の18社がドイツに生産工場を有しており、それらが独自にさらに26億ユーロ強を研究・開発・実用化等に投資している。この助成措置については2018年末に欧州委員会(EC)の認可を得ている。

[DW編集局]