[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2020/10/07
抄訳記事公開日:
2020/11/30

2020年ノーベル化学賞がフランスの研究者エマニュエル・シャルパンティエ氏に授与される

Le prix Nobel de chimie 2020 décerné à la chercheuse française Emmanuelle Charpentier

本文:

2020年10月7日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

フレデリック・ヴィダル大臣は、エマニュエル・シャルパンティエ(Emmanuelle Charpentier)教授とジェニファー・ダウドナ(Jennifer Doudna)教授の、2012年の CRISPR-Cas9 遺伝子改変技術の発明による、2020年ノーベル化学賞受賞の栄誉を祝福した。

この技術は、遺伝子工学の分野に革命をもたらした。この発見は予想外で、シャルパンティエ氏のチームが、ウイルスによる攻撃から細菌を防御する CRISPR-Cas9 免疫システムの分子メカニズムを把握した結果である。

CRISPR-Cas9システムは、ゲノムの特定の箇所で、DNAを切断・改変できる正に分子のはさみである。DNA編集ツールは以前から存在していたが、この新しいシステムはシンプルで正確であり、ライフサイエンスの研究界によって非常に迅速に採用され、まさに革命と言える。

CRISPR-Cas9により、単一の遺伝子の変異に関連する遺伝性疾患の治療法の開発に大きな期待が寄せられている。

遺伝子治療法の文脈で適用されるこの技術は、遺伝子の完全な機能を改変、消滅、回復する手段を構成し、したがって、結果として生じる病状を治療することができる。このシステムは、癌(CAR-T細胞)に対する新しい免疫療法の開発にも有望である。

フランス科学アカデミーおよび技術アカデミーのメンバーである シャルパンティエ教授は、フランス式教育の卓越性の模範例である(ソルボンヌ大学で修士号を取得し、その後パスツール研究所で博士号を取得した)。その後、スウェーデン・ドイツでの研究活動の前には、一流の米国研究機関で国際的なキャリアを積んだ。

[DW編集局+JSTパリ事務所]