[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2020/09/30
抄訳記事公開日:
2020/12/01

トランプ大統領が希少鉱物の外国依存による脅威に対抗するための大統領令に署名

Executive Order on Addressing the Threat to the Domestic Supply Chain from Reliance on Critical Minerals from Foreign Adversaries

本文:

2020年9月30日付でトランプ大統領は、「希少鉱物を外国の敵対勢力に依存することによる、国内サプライチェーンへの脅威に対抗するための大統領令」に署名した。概要は以下のとおり。

強い米国は、21世紀の経済的および軍事的強さを維持するためにますます必要とされる希少鉱物について、外国の敵対勢力からの輸入に依存することはできない。希少鉱物への信頼できるアクセスは国家的に重要であることから、2017年12月20日に大統領令13817(希少鉱物の安全で信頼できる供給を確保するための連邦戦略)に署名した。それにより、内務長官に希少鉱物の特定を要求し、「希少鉱物の供給遮断に対する米国の脆弱性を減らすこと」を連邦政府の政策とした。大統領令に従い、内務長官は、他の省庁の支援を受けて、レビューを実施し、35の鉱物を特定した。

これらの希少鉱物は、米国の軍事、国家インフラ、および経済が最も依存している製品に必要な輸入品である。米国の製造業者は、それらの供給や加工を外国に依存している。35の希少鉱物のうち31について、米国は年間消費量の半分以上を輸入している。14の希少鉱物について、米国内での生産がなく、その供給は完全に輸入に依存している。

複数の希少鉱物を中国に依存していることが特に懸念される。現在、米国はレアアースの80%を中国から直接輸入している。残りの一部は中国から他の国を経由して間接的に調達されている。1980年代、米国は世界の他のどの国よりも多くこれらの元素を生産していたが、中国は積極的な経済慣行を利用して、レアアースを世界市場に戦略的に氾濫させ、競争相手を排除した。この優位性を獲得して以来、中国はレアアース市場での地位を利用して、これらの元素に依存する産業に対し、設備、知的財産、技術を中国に置くように強制した。

内務長官によって特定された希少鉱物については、外国の敵対する政府の行動、自然災害、その他の供給中断に対する脆弱性を軽減する必要がある。したがって、私は、米国の希少鉱物を、その供給源の大部分を米国外に持つ外国の敵対勢力への過度な依存は、米国の安全保障、外交政策、および経済に対して、普通ではない異常な脅威を構成するものと判断し、ここにその脅威に対処するために、国家緊急事態を宣言し、大統領令を発出する。

本大統領令は内務長官に対し、必要に応じ関係機関の長と協議の上、希少鉱物に関する我が国の敵対国への依存状況を調査し、必要な行政措置を提言する報告書を大統領に提出するよう要求するものである。また、本大統領令は内務長官、エネルギー長官はじめ関係機関の長に対し、ガイダンスの発行、規制の改正、許認可の迅速化など希少鉱物の国内サプライチェーンを保護および拡大するためのさまざまな措置を取るように指示するものである。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]