[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2020/09/30
抄訳記事公開日:
2020/12/07

2025年までの欧州教育圏達成およびデジタル時代に向けた教育・研修の見直し

Achieving a European Education Area by 2025 and resetting education and training for the digital age

本文:

2020年9月30日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。

ECはこのほど、コロナウイルス危機からのEUの復興に対する教育・研修の役割を強化し、グリーンでデジタルな欧州の構築を支援する2件のイニシアチブを採択した。ECは、2025年までに達成予定の欧州教育圏(EEA)のビジョンを設定し、あらゆる年齢のすべての欧州人が、EUが提供する豊富な教育・研修の恩恵を受けられるように、加盟国からのさらなる投資とより強力な協力を求める新規イニシアチブを提案する。ECはまた「デジタル教育行動計画」(DEAP)を新たに採択した。これは、コロナウイルス危機から学んだ教訓を反映し、デジタル変革のための強化されたデジタル能力を備えた高性能デジタル教育エコシステムの計画を策定するものである。

欧州教育圏に関する政策文書では、協力によって加盟国の教育システムの質、包摂性、デジタルおよびグリーンの側面をさらに豊かにする方法について概説している。これは、学習者と教師が欧州大陸全土で学習・研究を行う自由と、教育機関が欧州内外で互いに連携する自由に基づいて、加盟国が欧州教育圏を形成する方法を示している。

欧州教育圏は6つの側面によって支えられている。すなわち、質、包摂性とジェンダー公平、グリーン・デジタル移行、教師、高等教育、世界でより強力な欧州、である。各イニシアチブでは、特に基本スキルとデジタルスキルに関する質を向上させ、学校教育をより包摂的でジェンダーに配慮したものにし、学業成就を向上させる方法をとりわけ検討する。これらは、気候変動と持続可能性の理解を向上させ、教育インフラのグリーン化を促進し、教育専門職を支援し、「欧州大学」をさらに展開し、教育機関と研修機関との関係を強化するのに役立つ。

政策文書では、欧州復興計画(NextGenerationEU)とエラスムス+プログラムによる支援を受けて、2025年までに欧州教育圏を達成する手段とマイルストーンを発表している。さらに、改革を奨励・追跡するために、加盟国との協力および教育関係者との共同取り組みに向けた枠組みを提案する。これには、合意された教育目標に沿った報告・分析の仕組みが含まれる。欧州教育圏創設の取り組みは、「欧州スキル・アジェンダ」、新規の「職業教育研修政策」、欧州研究圏(ERA)と相乗効果を発揮する。

デジタル教育行動計画(DEAP、2021~2027年)は、欧州における高品質で包摂的でアクセスしやすいデジタル教育に向けた一連のイニシアチブを提案している。これは、教育・研修システムをデジタル時代に真に適合させるべく、欧州レベルでの加盟国間のほか、対関係者、さらには関係者間のより強力な協力に向けた行動の要請である。本行動計画には、2つの長期的戦略的優先課題がある。(i)高性能のデジタル教育エコシステムの開発を促進すること、(ii)デジタル変革のためのデジタル能力を強化することである。EUレベルでのデジタル教育における協力・交流を強化するべく、ECは、デジタル教育に関連する政策分野間の協力と相乗効果を促進し、国レベルの助言サービスのネットワークを構築し、官民両セクターの関係者間の対話を強化する欧州デジタル教育拠点を創設する。

[DW編集局]