[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2020/10/13
抄訳記事公開日:
2020/12/09

2021~2030年研究計画法:報酬とキャリアに関する歴史的協定の締結

Loi de programmation de la recherche 2021-2030 : signature d'un accord historique sur les rémunérations et les carriers

本文:

2020年10月13日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

研究専門職の魅力向上を目的とした研究のための複数年計画法の一環として、2019年11月から労働組合との間で、キャリアと待遇改善に関する作業が行われた。その結果、2020年10月12日に首相やMESRI大臣ら出席の下、3つの組合(SNPTES、Sgen-CFDT、Unsa)と 国立科学研究センター(CNRS)、国立保健医学研究所(INSERM)、国立農学・食料・環境研究所(INRAE)、国立情報科学・自動化研究所(INRIA)、大学学長会議(CPU)との間で2021~2030年の「報酬とキャリア」合意覚書の署名に至った。

政府と協定の署名者は、この協定によって次の3つの軸での取り組みを期待している。

  • 高等教育・研究職員向けの調和の取れた報奨制度に基づいて、新しい報酬取引を開始する。
  • 2つの研究コース(教職研究者、研究者)のキャリアの見通しを調整するために、教職研究者・研究者の人員とランクの新たな均衡を定義する。
  • 職員の能力をより適切に認識し、割り当てられた職場または研究ユニットの業務で増大する資格のニーズをより適切に満たすべく、エンジニアおよび研究・教育技術職員のコースにおける雇用人員ピラミッドを再検討する。

標記協定は、研究・高等教育の領域で労働組合と締結された最初の国内協定である。

● 報酬の側面:2027年までに6億4,400万ユーロ、年9,200万ユーロで7回の分割配賦

この協定書は、2027年までに6億4,400万ユーロの範囲で最初は研究省所管に絞り、次に2030年の計画終了前に公務員相当の人員に広げることを目的とした段階的道筋を提案している。

教職研究者は、研究・高等教育の賞与が今日の1,260ユーロから2027年には6,400ユーロに増加し、研究者の研究報奨は同じ期間に990ユーロから6,400ユーロになる。

役職に関連する報酬額の大枠は大幅に増加し、教職研究者の場合は3,470万ユーロから7,920万ユーロに、研究者の場合は1,130万ユーロから2,800万ユーロになる。

博士課程および研究の監督賞与(PEDR)の抜本的改革。PEDR は段階的に廃止される。

エンジニア、技術者、図書館員の各人員は、9,500万ユーロを超える報酬予算増加の恩恵を受ける。

● 組織見直し・資格再認定に関する3つの作業

  • 教職研究者について:
    助教授(maîtres de conférence)に開かれた昇進ポスト数は、2,000名を大学教授群に追加統合することを狙っている。
  • 研究者について:
    組織見直しにより最終ランクの全体数が上方修正される。
  • エンジニア、研究・教育技術職員(ITRF)について:
    人員ピラミッド見直しの範囲は、専門的活動(BAP)の最初の4つの科学部門を超えて拡張され、すべてのスキルが研究所の強化に貢献できるようになった。ITRF向けの人員ピラミッド見直し計画により、すべてのBAPで4,650件の雇用を再認定することが可能になる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]