[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/11/06
抄訳記事公開日:
2020/12/21

デジタル化を確実に前進させ、技術主権を強化する

Karliczek: Digitalisierung sicher vorantreiben und technologische Souveränität stärken

本文:

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は「ITシステムにおける安全性」に関する研究計画を進めることとし、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

デジタルITシステムはますます個人の日常生活や労働の現場に普及してきており、その根底にある技術が安全かつ信頼に足るものであることが重要である。BMBFは現在公開されている助成ガイドラインによって、革新的な研究計画の方針を「ITシステムにおける安全性」というテーマに定めた。企業、大学、研究機関は直ちに助成金に応募することができ、最初のプロジェクトは2021年秋にスタートする予定である。これに関してカルリチェクBMBF大臣は次のように説明している。

「スマートフォン、スマートウォッチ、ネットワーク接続されたデジタル家電等の時代において、デジタルネットワークはかつてないほどに身近なものになっている。それだけに、我々が利用する技術は真に安全であることが重要である。デジタルシステムとシステムの組み合わせはますます複雑化し、ソフトウエアとハードウエアはかなり密接に結びついている。専門家でさえも、こうした技術の安全性を判断することが難しい場合がある。ドイツと欧州がデジタル世界において技術的主権を確保するために、複雑さを克服し、それをイノベーションへと変換するのに役立つ優れたITセキュリティ研究が必要となる。BMBFとしては、全ての市民と企業のためにデジタル化に関する必要な知識を蓄積・拡充できるように取り組んでいく。

「ITシステムにおける安全性」に関する研究は、デジタルシステムの安全性の総合的な強化を目的としている。ITシステムは複数のソフトウエアコードの層から構成されており、その中には互いに独立して機能するものがある。従って、全てのシステム層の安全性を公平に確保することが重要である。これはプロセッサーのマイクロコードのような深いところにある層はもとより、例えばプログラムのユーザー・インターフェイスのような、より上位層の防護が含まれている。この研究助成の包括的な目標は、デジタルシステムを適切に守ること、および最終的には市民と企業のデータを保護し、人々のITシステムへの信頼を高めることにある。

[DW編集局]