[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立情報学・自動制御研究所(INRIA)
元記事公開日:
2020/10/08
抄訳記事公開日:
2020/12/23

仏INRIAと独DFKIの協力により4件のAIに関するプロジェクトが開始

La collaboration entre Inria et le DFKI voit émerger quatre premiers projets

本文:

2020年10月8日付国立情報学・自動制御研究所(INRIA)の標記発表の概要は以下のとおり。

2020年1月、INRIA とドイツ人工知能研究センター(DFKI)は、人工知能(AI)に関して共同で考察・研究する取り組みに向けた合意文書を締結した。目的は、特に医療、サイバーセキュリティ、ロボット工学、さらには産業の領域で、両組織の研究者の能力を複数テーマの問題に役立てることにある。

INRIAの全研究センターから約100人の研究者が、ナンシー研究センターで開催されたセミナーに集まり、ドイツのカウンターパートと協力して、共通の研究テーマを引き出した。INRIAとDFKIによる共同評価の結果、最終的に4件のプロジェクトが選択された。これらは主として医療と産業の領域に焦点を当てているが、目標達成にはこれから2~5年かかる。4件の共同プロジェクトは次のとおりである。

  • IMPRESS
    単語の意味表現を改善し、機械に言語のより適切な解釈を与える。
    自然言語自動処理における最も重要で困難な目標の1つは、機械が人間と同じようにテキストと言語を理解できるようにすることである。INRIAとDFKIのパートナーシップから生まれた このIMPRESS プロジェクトが狙うのは、これについての研究である。
  • Moveon
    動的環境での測位システムの信頼性向上を図るソリューション。
    Moveon は、DFKI と INRIAの協力関係から生まれ、測位向けの次世代アルゴリズムを開発している。これにより、学習から得られる高レベルのプリミティブを幾何学的に推論することができまる。
  • MePheSTO
    精神障害の発見に資する AI。
    ビデオ、音声、言語、スピーチの解析技術を使用して、精神障害の評価を改善し、さらにそれらを早期発見する方法を探る。これが、INRIA と DFKI のパートナーシップの枠組みの中で立ち上げられた研究プロジェクト MePheSTO チームが提議した課題である。その構想によると、AIを使用して、これらの障害の表現を客観的に数値で識別・分類することである、それにより障害の測定が可能となる。
  • Climactic
    製造業の新たな課題に対処するデータとAI。
    サプライチェーン全体の流動性を高めながら、オンデマンドで生産する方法。INRIA と DFKI とのパートナーシップの推進力の下で開始された Climactic プロジェクトは、この産業問題への対応を目指している。

[DW編集局+JSTパリ事務所]