[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/11/11
抄訳記事公開日:
2021/01/05

ドイツ連邦政府が「マイクロエレクトロニクス新基本計画」を採択

Karliczek: Mit vertrauenswürdiger und nachhaltiger Elektronik technologisch souverän in die Zukunft

本文:

ドイツ連邦政府は4億ユーロの研究助成を行うマイクロエレクトロニクス新基本計画を決定。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

連邦政府は11月11日BMBFが提出した「研究イノベーション基本計画2021-2024:信頼性、持続性の高いマイクロエレクトロニクス。ドイツと欧州のために」を決定。カルリチェク大臣は閣議決定に関して次のように説明した。

「強力なマイクロエレクトロニクス技術によって、ドイツと欧州の未来を築くことができる。新しいマイクロエレクトロニクス振興の基本計画によって達成したいことは、持続可能で信頼性のあるマイクロエレクトロニクスの開発・製造において、国際的に主要なリーダーとなることである。ドイツと欧州連合(EU)は将来においても、独自の専門的技術を組み込んだマイクロエレクトロニクスのような基幹技術の理解を深め、製造し、開発を進めねばならない。

未来の技術を巡る競争において、マイクロエレクトロニクス分野は極めて重要である、なぜならば、それはデジタルシステムの能力を決定するものだからである。スマートフォンやその他の家庭で使うデバイスにも言えることである。また、産業機器、自動車、鉄道、通信ネットワーク、医療技術にも影響を与える。これらは、ドイツがイノベーション国として強みを持つ分野である。

このために研究に強い企業、大企業はもとより中小企業の裾野の広さも必要とする。研究機関および大学における関連知識も必要である。また科学的に教育・訓練された、最先端のチップをデザインできる専門人材も必要である。これら全てが、マイクロエレクトロニクス新基本計画における研究助成をサポートしている。助成総額は2024年までに約4億ユーロとなる見込み」。

背景:

マイクロエレクトロニクス新基本計画は、持続可能なデジタル主権の技術的前提の構築を目指している。回路およびシステムのデザインの自動化、人工知能(AI)のための特殊プロセッサー、レーダーセンサーおよび将来の無線通信技術のための高周波技術が挙げられる。研究対象には、例えば脳細胞の機能方法に基づいた全く新しいエレクトロニクス(所謂ニューロモルフィックチップ)も含まれる。こうした研究テーマとしては、国民経済および社会的に重要な応用分野を強化するものが選ばれている、例えばAI、自動走行、インダストリ4.0あるいはスマートヘルス(スマート・エレクトロニクスによる健康維持)が挙げられる。

学界および経済界の研究者は2021年から公募により助成金に応募することができる。

この計画は、2016年から現在進行中のプログラムである、連邦政府の最初の特別エレクトロニクス研究計画の成果を基盤としている。特筆すべきは、世界最新のチップ製造技術、いわゆるEUVリトグラフで、現在欧州が独占してシリーズで生産している。これまでの助成では、効率の良い電力変換チップを進歩させており、これはエレクトロモビリティおよびエネルギー転換を可能にする重要なチップである。

[DW編集局]