[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2020/11/10
抄訳記事公開日:
2021/01/06

NSTCが地球システム予測可能性の研究開発に関する戦略的枠組みを発表

Earth System Predictability R&D Strategic Framework and Roadmap

本文:

2020年11月10日付けの国家科学技術会議(NSTC)による標記報告書の概要は以下のとおりである。

個々の雷雨の予測から長期的な地球規模の変化まで、地球システムの予測を強化することは、干ばつや洪水、熱波、山火事、海岸浸水などの極端な事象に対する社会のレジリエンスを提供するために非常に重要である。しかし、極端な気象現象やその連鎖的な現象が予測可能なのか、あるいはどのような状況下で予測可能なのか、その理由は何なのかについては、まだ明確に理解されていない。地球システム予測可能性(ESP)をより深く理解することは、連邦政府が予測を改善し、公共の利益を増大させるための投資目標を定めるのに役立つ。この課題に対応し、連邦政府の調整を促進するために、NSTCは、2020年2月にESPに関するファストトラック行動委員会(FTAC)を設置した。

FRACは、進展の障壁を特定し、ESPの理解を向上させうる活動の機会に優先順位をつけることに取り組んだ後、一般市民や省庁間の協力を得て、研究開発戦略フレームワークとロードマップを取りまとめた。

研究開発戦略フレームワークは、理論と観測、プロセス研究、モデリングという3つの主要な目標を結びつけることで、ESPの理解を深め、予測を改善することを目的としている。さらに4つの横断的な目標として、先端技術、強化されたコラボレーション、パートナーシップ、次世代の人材育成に重点を置いている。

ロードマップでは、ESPの研究開発の優先事項を戦略的に進めるための機会として、地球の水循環や極端な降水量の予測可能性、関連する生物圏と人間の相互作用に焦点を当てた5つの研究開発領域を特定している。この研究開発の目標は、影響の大きい水循環事象、それらの地球システム全体に及ぼす影響、人間、生態系、生物地球化学システムとの相互作用について高精度の予測を達成することである。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]