[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/11/17
抄訳記事公開日:
2021/01/07

地方イノベーションネットワークによって研究から実用への移転を加速

Karliczek: Mit regionalen Innovationsnetzwerken den Transfer von der Forschung in die Praxis stärken

本文:

未来のイノベーションネットワークのための大きなコンペティション、Clusters4Future、が第二ラウンドを迎えることとなり、連邦教育研究省(BMBF)はこれに関して概略下記のような報道発表を行った。

Clusters4Futureプログラムの2回目の採択ラウンドが開始される。BMBFはこれにより地方のイノベーションネットワークの展開を推進する。連邦政府は今後10年間に合計4億5,000万ユーロを投資する。これに関してカルリチェクBMBF大臣は次の通り説明した。

「ドイツは将来も今と同様、成功するイノベーション国であり続けたいと望んでいる。そのためには、革新的なアイデアの、研究から実用への移転を強化するために、地方におけるイノベーション・フレンドリーな基本条件を整備する必要がある。Clusters4Futureプログラムは多様な、地方のイノベーションポテンシャルに期待し、学界、経済界および社会の力強いネットワーク整備を促進する。これらのパートナーシップは各地方に設立され、基礎的な研究成果の実用への移転を加速する。これによって革新的な製品やサービスが生まれる。これは経済成長、福祉、豊かな生活のための重要な要素である。

ドイツのイノベーション力の最近の印象の強い例がマインツのバイオテクノロジー企業であるバイオエヌテック社(BioNtech)であり、同社はCovid-19に対するワクチン開発で世界中の話題となっている。BMBFは同社を設立時から助成し、ワクチン開発を3億7,000万ユーロで支援している。BioNTechはライン・マイン地方における強力な地方イノベーションネットワーク(先端クラスターCI3)のパートナーであり、特にその立ち上げフェーズにおいて、ネットワークに頼ることができた。

こうした経験から明らかなのは、学界、経済界、社会の多様な知識が地方の連携によって合流するところでは、BioNTechの例が証明するように、意味深いイノベーション構造が生まれ、それが世界的に重要なものを生み出すということである。

今開始するClusters4Futureの第二採択ラウンドで、ドイツのイノベーションと発展のために、選択した道筋を着実に進められていることを喜びとするものである。」

背景:

連邦政府の長年にわたるクラスター政策に関する経験から明らかなのは、地方のイノベーションネットワークは、多様な方法で世界のイノベーション拠点のトップグループにおけるドイツの位置づけを強固なものとし、人々の生活の質を持続的に向上させている、ということである。重要なのは、イノベーションプロセスを早期に軌道に乗せ、優れた研究成果の移転を成功させることである。地方の次世代イノベーションネットワークとしての未来クラスターは、地方におけるコンペテンスおよび知識を、勇気、創造性、新たな協力形態によって更に結束させるものである。例えばそれはイノベーションや参加フォーマットに対するより多くの自由裁量や、勇気あるビジネスモデル、あるいは創造経済におけるパイオニア的問題解決等による。

未来クラスター・イニシアチブ(Clusters4Future)は、技術オープンなコンペティションとして考えられている。地方のイノベーションネットワークは、連邦政府のハイテク戦略2025の中心的な要素として、知識および技術の移転に大きく寄与するものである。

連邦政府は今後10年間に4億5,000万ユーロを投資する予定である。これに更に期待される民間資金が加算されると、ドイツの地方イノベーションネットワークのために10億ユーロ強が動員されることになる。

2021年2月16日まで、基礎研究の優れた成果を有する研究者は、未来クラスター・イニシアチブ(Clusters4Future)構想フェーズに関するプロポーザルを再度提出することができる。同プログラムでは、まず半年間の構想フェーズからスタートする。最高のコンセプトから未来クラスターが選考され、それぞれ3年毎に2回更新が可能で、最大3実行フェーズまで、そのコンセプトを実施できる。助成ラウンドごとに最高7つのイノベーションネットワークが助成される。

助成されるクラスター当たり年間最高500万ユーロの助成資金が予定されている。

[DW編集局]