[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/12/01
抄訳記事公開日:
2021/01/13

3つの抗生物質研究プロジェクト国際的CARB-Xの助成決定

Karliczek: Deutsche Forscher schaffen Sprung in die internationale Förderung der Antibiotika-Forschung

本文:

ドイツの3研究プロジェクトが国際的なパートナーシップCARB-Xによって助成されることとなり、これに関してドイツ連邦教育研究省(BMBF)のカルリチェク大臣は概略次のとおり説明した。

「新しい効果的な医薬品と抗生物質耐性への革新的なアプローチの研究・開発のための国際的パートナーシップであるCARB-X(Combating Antibiotic Resistant Bacteria Accelerator)が、初めてドイツの3プロジェクトをその助成対象とした。ドイツは以前から医薬品開発の重要拠点であり、今後とも、人間の治療に関する革新的抗生物質が世界に広く普及するよう引き続き貢献する。これらのプロジェクトがCARB-Xの厳しい選考プロセスを通り、抗生物質研究のためCARB-Xから最高2,500万米ドル(約2,100万ユーロ)強を受け取る。このことはドイツの革新的な科学研究環境と、研究者および企業がグローバルな重要課題の解決に大きく貢献していることを示している。

世界的に様々な病原菌が増え続け抗生物質治療に対して防御メカニズム、いわゆる耐性を発達させてきている。こうした耐性を有する病原菌は長期的にかなり重い病状を引き起こし、死に至らせることもある。我々の目標はドイツにおいて製品開発を目指す研究者が増えるように奨励することである。治療が効果を発揮せず、世界的に人命を危機に晒すような病原菌の増加と戦わなければならない。国際的に連携することでのみ抗生物質耐性の危険を防ぐことができる。それ故、ドイツは2019年初頭より約4,000万ユーロでCARB-Xという国際的な官民パートナーシップに参加している」。

2020年8月から、CARB-Xの多くの革新的なプロジェクトの中に、ドイツの医薬品研究企業Evotec SE社があり、複雑な尿路感染症あるいは院内感染肺炎のため新しい広範囲抗生物質を開発している。第2助成対象はヘルムホルツ医薬品研究所(ザールランド)である。ここでは嚢胞性線維症における処置の難しいバクテリア“Psudomonas aeruginosa“感染症に対する新しい治療法を開発している。CARB-Xで助成する第3のプロジェクトでは、ヘルムホルツ感染症研究所およびLead Discobery Center GmbHが研究する医薬品があり、これはStaphzlococcus aureusという病原菌によって誘発される生命を脅かす肺炎を予防する。

[DW編集局]