[本文]

国名:
米国
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2020/11/18
抄訳記事公開日:
2021/01/20
元記事の言語:
英語

NSTCが先進コンピューティング・エコシステムに関する戦略計画を発表

Pioneering the Future Advanced Computing Ecosystem Strategic Plan

本文:

2020年11月18日付の国家科学技術会議(NSTC)技術委員会が発表した「未来の先進コンピューティング・エコシステムの開拓:戦略計画」の概要は以下のとおりである。

この戦略計画では、科学・工学、経済競争力、国家安全保障における米国の継続的なリーダーシップの基盤を提供する、将来の先進コンピューティング・エコシステムを想定している。政府、科学界、非営利団体、産業界からの意見に基づいて、全国的なアプローチを展開するもので、「国家戦略コンピューティング・イニシアチブ2019年改訂版:コンピューティングの未来を開拓する」の目標と提言に基づいている。この戦略計画では、政府機関の役割と責任を特定しており、その目的を支援・実装するために必要な基本的な運用・調整の構造についても説明している。

本計画の戦略目標の概要は次のとおりである。

● 政府、科学界、非営利団体、産業界にまたがる戦略的リソースとして、未来の先進コンピューティング・エコシステムを活用する。

  • 戦略的な国家資産として集合的に使用できる一連の機能と能力(データ、ソフトウェア、ネットワーキング、セキュリティなど)を統合する
  • 多様な先進コンピューティング要件のほか、特定の革新的技術、システムアーキテクチャ、使用モードへの自然な親和性を備えた新たに発生するアプリケーション・ワークフローのニーズに対応する。
  • 国際的なソフトウェア・ハードウェアのサプライチェーンにおける重要な先進コンピューティング構成要素の可用性、完全性、セキュリティを促進・支援する。
  • 政府機関のミッション遂行に不可欠な既存の先進コンピューティング・システムを統合・維持しながら、革新的なコンピューティング・パラダイム、技術、機能(例えば、ポスト・エクサスケール、脳型(ニューロモーフィック)、バイオインスパイアード、量子、アナログ、ハイブリッド、確率的、など)へのアクセスを加速する。
  • 政府、科学界、非営利団体、産業界に亘って、また志を同じくする国際的なカウンターパートとの分野横断的な相乗効果と効率性を活用する。

● 革新的で、信頼され、検証され、使用可能で、持続可能なソフトウェアおよびデータのエコシステムを確立する。

  • 技術イノベーションを米国の科学・工学リーダーシップに転換する、堅牢で持続可能なソフトウェア・エコシステムを確保する。
  • 新しいソフトウェア開発(アルゴリズム、プログラミングシステム、ランタイムなど)のニーズを支援する。
  • ハードウェア・プラットフォーム間や地理的な場所間での、データのリアルタイム処理、キュレーション、分析、共有のための協調的なデータ管理プラットフォームのほか、政府、科学界、非営利団体、産業界、一般市民全体でのデータの可用性の向上、発見速度の加速など、堅牢なデータエコシステムを確保する。
  • リソースの安全で効果的な管理と高い使用率を確保する信頼性の高いサービスや機能を開発、展開、運用、促進する。
  • ソフトウェア、データ・イノベーション、および持続可能性のモデルの開発を目的とした、官民パートナーシップの革新的なモデルを探求する。

● 先進コンピューティングとそのアプリケーションの未来を推進するべく、基礎・応用・橋渡し研究開発を支援する。

  • ポスト・ムーア/フォンノイマン時代のハードウェア主導権を確保し、多様な候補技術に幅広い投資を確保する。
  • 対処可能な重要問題の規模と解決を強化するべく、ソフトウェアおよびソフトウェア・ハードウェアの研究を進める。
  • データ量の増加およびデータの効果的な知見への転換に関連する課題と機会に対処する。
  • リアルタイムで、大規模で、公平性・説明可能性の属性を有するAI機能を強化する。
  • テストベッド、プロトタイピング、研究インフラの利用可能性とアクセスを拡張して、ますます複雑になるシステムにアプリケーションを展開するために必要なソフトウェアツールの研究、開発、維持を促進する。
  • 高度で信頼できるコンピューティング・エコシステム・エレクトロニクスの製造、パッケージング、統合のハードウェア・サプライチェーンのセキュリティを確保する技術のニーズに対処する。

● 先進コンピューティング・エコシステムを構築・維持するために非常に必要とされる、多様で有能で柔軟な労働力を拡大する。

  • 将来の先進コンピューティング・エコシステムの目標を達成し、米国のイノベーションを支援し、最先端のコンピューティングを推進するために必要な多様な労働力を創出する。
  • 最先端の技術を活用し、今後の技術とソリューションを予測する、教育、スキルアップ、再教育の戦略を策定する。
  • コンピューティングの専門家(ハードウェア、ソフトウェア、データ、セキュリティ)、技術者、従事者を保持するために必要なインセンティブ、キャリアパス、報酬構造を用意する。
  • 政府、科学界、非営利団体、産業界の関係者全体で、人材の開発・教育に焦点を当てた相乗効果を構築する。
  • 省庁内外の機関プログラム、連邦政府の資金による研究開発センター、国立研究所において、フェローシップ、学術プログラム、インターンシップ、サバティカルの形で、関連性のあるミッションに焦点を当てた実地研修を促進する。

この戦略計画は、国家量子イニシアチブ(NQI)、米国人工知能イニシアチブ(AAII)、未来の産業(IotF)など、他のイニシアチブや米国の優先事項の目的や活動を補完することで、これらのイニシアチブや優先事項との相乗的な関係を想定している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]