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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2020/12/07
- 抄訳記事公開日:
- 2021/01/27
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AAASがバイデン次期大統領への要望を発出
- 本文:
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2020年12月7日付けの米国科学振興協会(AAAS)のスディプ・パリーク(Sudip Parikh)CEOによる標記書簡の概要は以下のとおりである。
AAASは、第46代米国大統領となるバイデン氏、そしてバイデン政権と共に仕事をすることを楽しみにしている。世界的なパンデミック、気候変動、人工知能(AI)の進歩、食糧と水の安全保障、米国の経済競争力への脅威など、米国は喫緊の課題に直面している。これらの課題の解決には、科学の知識と技術的専門能力が求められる。
しかし、科学者コミュニティとその伝統は傷つき始めており、深刻な修復を必要としている。連邦政府による研究開発投資の予測不可能性、科学的助言に対する政治的干渉と科学的公正性の弱体化、多様な科学・技術・工学・数学(STEM)の人材供給における格差等、問題は多々ある。このため、バイデン政権の次の4年間では、科学のリセットが必要である。AAASは、米国の科学技術へのコミットメントを再確認し強化するために、次の事項を求める。
堅固で持続的な資金調達
研究開発のための一貫した強力な支援は、科学と科学者に不可欠である。このため、連邦政府の研究予算を、GDPの1.4%とすることを目標として確保すべきである。科学的公正性の確保
いかなる米国の政権も、科学者を検閲したり、科学的証拠を無視したり、連邦政府機関が査読された科学情報を米国民と共有することを妨げたりしてはならない。米国は、科学的公正性を確保するという公約を新たにしなければならない。科学における多様性、公平性、包摂性
STEMでの制度的差別は、特定グループの参加を否定し、彼らの才能と貢献から得られたであろう社会的便益を否定するものである。米国は、多様性、公平性、包摂性を規範化し、誰もが科学に貢献し、そこから利益を得ることができるようにしなければならない。国際的取組みとしての科学
米国は様々な才能、経験、貢献から利益を得ているが、これには米国で勉強したり働いたりするために渡米した外国人科学者等の参加や貢献も含まれる。AAASは、米国が外国人を歓迎する社会であり続けることとバランスをとりながら、米国の利益を保護する政策を策定するために、政権が大学、政府機関、専門家団体と協力して政策の策定等に取り組むことを奨励する。 [DW編集局+JSTワシントン事務所]