[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国大学協会(AAU)
元記事公開日:
2021/01/07
抄訳記事公開日:
2021/02/18

AAUがバイデン次期大統領にヒト胎児組織研究の制限緩和を要請

AAU, Associations Send Letter to Incoming Biden-Harris Administration on Human Fetal Tissue Research

本文:

2021年1月7日付けの米国大学協会(AAU)によるバイデン次期大統領に宛てた標記書簡の概要は以下のとおりである。

AAUは、科学、医療、患者のコミュニティを代表して、大統領就任後に、保健福祉省(HHS)が2019年に行ったヒト胎児組織(HFT:Human Fetal Tissue)研究の制限と政策変更を速やかに取り消すことを強く求める。これらの制限・変更は、すべての学内HFT研究を停止させ、HFTを含む新しい学外研究を妨害している。科学者や倫理学者は、研究におけるHFTの使用を繰り返し見直し、HFTは生物医学研究に不可欠な資源であると一貫して結論づけてきた。2019年の誤った政策の結果、価値があり科学的に実績のある研究には資金が提供されず、より広範な科学コミュニティを委縮させた。

HHSの決定に基づく国立衛生研究所(NIH)の通知(NOT-OD-19-128およびNOT-OD-19-137)は、ピアレビュープロセスの公正性を回復し、HFTを使用した有望なバイオメディカル研究への不必要な障壁を取り除くために廃止すべきである。さらに、HFT研究の科学的・医学的価値に関する報告書の作成を専門家に委託することを勧める。

HFTから得られる細胞は、成体組織から得られる細胞よりも柔軟性があり、培養での増殖が容易である。HFTは、疾患の進行を研究し、新しい治療法を評価するためのモデルシステムを検証するために必要とされている。AAUは、すべての人の健康と幸福を向上させたいと願う科学者、臨床医、患者を代表して、公衆衛生、生物医学研究、および根拠に基づいた政策に対するバイデン政権のコミットメントに期待する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]