[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2020/12/18
抄訳記事公開日:
2021/03/01

復興・強靭化ファシリティに関する政策合意

Commission welcomes political agreement on Recovery and Resilience Facility

本文:

2020年12月18日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。

復興・強靭化ファシリティ(RRF)は、現在の危機からより強力に復興するための計画である「次世代EU」(NextGenerationEU)の中心となる重要な手段である。これにより、加盟国が実施する改革と投資の支援に、6,725億ユーロの融資・補助金が利用可能になる。新型コロナウイルスのパンデミックの経済的・社会的影響を緩和し、欧州の経済・社会を、より持続可能で回復力があり、グリーン・デジタル移行に向けてより適切に準備をさせる上で重要な役割を果たす。

● 主たる合意事項

  • 標記合意は、(欧州議会とEU理事会による最終承認を必要とするが)、RRFの範囲が6つの柱を中心に構成されることを規定している。すなわち、「グリーン移行」、「デジタルトランスフォーメーション」、「スマートで持続可能で包摂的な成長と雇用」、「社会と地域の結束」、「保健と回復力」、「教育や技能など次世代の子供や若者のための政策」、の6つの柱である。
  • 欧州連合(EU)は2050年までに気候中立を達成することを約束し、欧州理事会は先週、温室効果ガス排出量を1990年レベルと比較して2030年までに55%削減するという欧州委員会(EC)の提案に合意した。したがって、加盟国は、気候変動対策を支援する改革と投資を優先する必要がある。今回の合意は、各国の復興・強靭化計画に含まれる投資と改革への支出の最低37%が気候目標を支援するべきであると規定している。さらに、全ての投資と改革は、「重大な害を及ぼさない」という原則を尊重し、環境に重大な害を及ぼさないようにする必要がある。
  • 加盟国はまた、復興・強靭化計画の一部として、デジタル移行を可能にする改革と投資を定める際に、高いレベルの目標を確保する必要がある。各加盟国の国家計画に含まれる投資と改革への支出の最低20%は、デジタル移行を支援する必要がある。
  • 復興・強靭化計画はまた、EU全体の経済的・社会的政策を調整するための枠組みである「ヨーロピアン・セメスター」の下、関連する国別の勧告で特定された課題への効果的な対処に資することが期待される。
  • 標記合意は、RRFのガバナンスにおける欧州議会の強力な役割を想定している。定期的な「復興・強靭化対話」により、議会はECを招請し、RRFに関連するさまざまな項目について議論することが可能となる。
  • RRFと国家計画の実施の進捗状況に関する情報を提供するために、スコアボードが設立され、公開される。
  • 加盟国は、特に詐欺、汚職、利益相反を防ぐために、EUの経済的利益を保護するための強力な措置を講じる必要がある。
  • また、初期の経済回復を支援する資金が極力早期に流れ始めるようにするために、復興・強靭化計画が承認され次第、加盟国に割り当てられる総額の13%を事前融資で利用可能にすることが合意されている。

[DW編集局]