[本文]

国名:
ドイツ
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2021/01/27
抄訳記事公開日:
2021/03/09
元記事の言語:
ドイツ語

「データは我々の未来の鍵である」

Karliczek: „Daten sind der Schlüssel für unsere Zukunft“

本文:

1月27日連邦閣議が連邦政府の新たなデータ戦略を決定し、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

BMBFはデータ戦略の中に研究と科学における革新的かつ主権的なデータ政策のための刺激策を設けた。データ戦略はイノベーション国ドイツのために、データの潜在力をより有効に利用し、データ能力を強化するという目標を追求するものである。これに関してカルリチェクBMBF大臣は以下のように説明した。

「デジタル時代においてデータはイノベーション国ドイツの将来にとって鍵である。様々なソースからのデータを結合させることで、科学・研究における新しい真理の発見やイノベーションを可能にし、新たな技術、付加価値連鎖、ビジネスモデルの基盤となる。豊かなデジタル社会の未来のために、このポテンシャルを最大限に活用しなければならない。

保健研究を例に取ると、コロナ禍においてデータの共有を強化することによって、ワクチンの共同研究開発が可能となり、この短時間で成功することができた。また、MOSAiC探検調査によって得た膨大なデータによって気候モデルを改善し、それに伴い気候変動に関する理解を向上させることができた。研究砕氷船「ポーラーシュテルン号」はこの探検で1年間海氷と共に北極を漂流した。

データから最大限の利益を引き出すためには、データの質を確保しなければならない。教育や研究からの質の高いデータを信頼でき、確実な方法で提供することは、ドイツの技術的主権およびデジタルの未来を自己決定によって設計するための基盤の本質である。

連邦政府のデータ戦略は、ドイツおよび欧州の教育・研究のランドスケープにおいて、データ主権、データ能力、データインフラを強化するものである。

BMBFは同戦略において70以上のプログラムを実施する。例えば今後数年間、高性能コンピューティング(HPC)や量子技術といった研究領域のイニシアチブを助成する。

ネットワーク構築、セキュリティ確保、イノベーション創出を目標とする教育、科学、および研究における共有と活用の文化を可能にしていく。ネットワーク化とデータ保護は相いれない目標ではない。例えば、匿名化した研究ネットワークの枠組みの中でデータの保護を助成する。

データは利用できれば、できるほど貴重なものとなる。今日、我々は、自由な民主主義世界における近代的なイノベーション国のための重要な礎石を置こうとしている」。

背景:

データ戦略によって、ドイツと欧州において、革新的かつ責任あるデータ整備およびデータ利用を著しく高めていく。

科学、研究、さらにそれを超えて、近代的かつ安全なデータ政策のためBMBFは以下のようなイニシアチブおよびプログラムを開始した。

欧州クラウドイニシアチブ(GAIA-X): 安全な、欧州のデータとインフラのエコシステムを開発する。デジタル主権のための最高の要件を満たすものであり、そのシステムにおいては安全かつ信頼をもってデータを利用、収集、共有することができる。ネットワーク化された欧州のデータインフラの目的は、データストレージおよびデータ処理の安全な空間を構築することである。GAIA-Xは欧州の自立性を高め、市民と企業のデータの取り扱いにおける主権強化を支援する。

研究データインフラストラクチャー(NFDI): 科学研究のデータベースを体系的に構築、持続可能な方法で確保し、アクセス可能にした上で、 (インター)ナショナルにネットワーク化することを目標とする。科学者はすでに現在デジタル・ナレッジ・ストレージの恩恵を受けている。

BMBFの研究データ行動計画: 研究データの「共有と活用の文化」の創造を目標として活動と計画を結集するもので、必要な構造に加えて、研究データの取り扱いにおける標準化および科学、経済、技術における能力向上の必要性を考慮する。
重要なデータバンクとデータリンクへのアクセスは学界にとって非常に重要である。BMBFは新たな立法計画において、独立した科学的研究のために、どの程度まで研究に寄り添った、オープンなアクセスをどの程度規則(いわゆる「研究条項」)を設けることができるのかについて検討する。

データ信託モデルへの助成によって、BMBFはアカデミアや経済界における安全かつ責任あるデータ交換を試験し、開発することができる。目標は、データ信託モデルへ科学を取り入れることによって、社会的なイノベーションの潜在力を活用して、新しいデータ共有の形態を開発することにある。

[DW編集局]