[本文]

国名:
米国
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2021/01/15
抄訳記事公開日:
2021/03/10
元記事の言語:
英語

地球近傍天体衝突脅威緊急事態プロトコルに関する報告書

Report on Near-Earth Object Impact Threat Emergency Protocols

本文:

2021年1月15日付の国家科学技術会議(NSTC)による標記報告の概要は以下のとおりである。

NSTCの「宇宙天気、セキュリティ、ハザードに関する小委員会(SWSH)」によって招集された地球近傍天体衝突脅威緊急事態プロトコル(NITEP)省庁間作業部会(IWG)は、2018年の「地球近傍天体(NEO)準備に関する国家戦略および行動計画」に基づき主要な政策策定を開始した。小委員会は、地球との衝突軌道上にある可能性のある小惑星または彗星が発見されたときに、米国の効果的に対処する能力の強化を目的として、行動計画に概説された戦略目標を満たす具体的な成果を要求した。

NITEP IWGは、上記国家戦略及び行動計画における目標5(NEO衝突緊急手順・行動プロトコルの強化および定期的な行使)に関連して、次の5項目の行動の実施状況を取りまとめた。

● NEO衝突の可能性を検出した場合に、脅威の評価を実施・更新するための手順とスケジュールを確立する(行動5.2)

  • 本施策は完了。NASAが、NEOの脅威を迅速に評価するプロセスの効果的な管理プロセスを有する。

● NEOの脅威について、現在の通知プロトコルの指揮系統を再検討して検証する(行動5.3)

  • 本施策は完了。NASAの政令8740.1号で定義されているNASAの内部プロセスは適切である。NASAは、内部プロセスのレビューを毎年実行し、通知を効率的に行うことができるように、必要に応じて連絡先を更新する。NASAは2020年12月に最初の年次通知レビュープロセスを完了した。
  • NITEPは、参加機関が、緊急警告シナリオの通知プロトコルとメカニズムを引き続きレビューし、必要に応じて更新することを提言している。

● NEOの脅威に関して、大統領府と議会、州政府・地方自治体、米国民、外国政府、その他の国際機関に通知するためのプロトコルを策定する(行動5.4)

  • 本施策は完了。NASAの政令8740.1号には、大統領府(EOP)、議会、その他の連邦政府機関、州政府・地方自治体に通知するための手順が含まれている。NITEPはNASAおよびEOPと協議して、NASAが他の連邦機関にNEO衝突脅威を通知するにあたり、特に警告時間が短い(数時間以下)シナリオでは、EOPの承認は不要であることを明確にした。
  • NITEPと参加機関は、本施策に関連する通知プロトコルと政策を引き続き改善・実行する。

● NEO脅威評価に続いて、宇宙ベースの緩和ミッション・オプションのリスク/利益分析を実施するための手順とスケジュールを確立する(行動5.6)

  • 本施策は完了。モデリング作業グループによって開発された「リスク情報に基づく緩和プロセスフロー」は、NEO脅威評価に続いて、宇宙ベースの緩和ミッション・オプションのリスク/利益分析を実施するための手順と予定表の確立要件を満たしている。
  • NITEPと参加機関は、本施策に関連する機能とプロセスを引き続き改善する。

● NEOの偵察、軌道変更、破壊のミッションをいつ勧告するかを決定するためのベンチマークを策定する(行動5.7)

  • 本施策は完了。NITEPは、次のベンチマークを推奨している。
    - 米国は、衝突防止ミッションを含むNEO緩和ミッションの初期計画について、SMPAG(宇宙ミッション計画・諮問グループ)基準3に従う必要がある。
    - 米国は、衝突防止ミッションの初期計画のためのSMPAG基準を満たす全てのシナリオで、予測される衝突に先立ってミッション実行に十分な時間がある場合、偵察ミッションの実施を検討する必要がある。
    - 米国は、リスク、実現可能性、危険性のベンチマークを満たす全てのシナリオで、軌道変更や破壊のミッションを引き受けることを検討する必要がある。これらのベンチマークには、緩和策を放棄することによる人命損失や経済的コストの評価に焦点を当てたリスク/利益分析が組み込まれている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]