[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
保健・社会福祉省
元記事公開日:
2021/01/17
抄訳記事公開日:
2021/03/11

コロナウイルス患者の治療最前線でのAI活用

AI at the forefront of efforts to treat coronavirus patients

本文:

2021年1月17日付保健・社会福祉省(DHSC)の標記発表の概要は以下のとおり。

国民保健サービス(NHS)内で医療デジタル改革を推進する任務を負った組織である NHSX は、パンデミックの過程で、英国全土の1万人を超える患者からの4万件を超えるCTスキャン、MRI、X線の画像データを収集した。この全国 COVID-19 胸部画像データベース(NCCID)へのアクセスは、画像を使用して病気のパターンとマーカーを追跡している英国全土の病院や大学に拡大された。このデータベースにより COVID-19 の診断が迅速化して、素早く治療計画を策定し、患者が危険な状態に陥る可能性について理解を深めることができる。

ケンブリッジのアデンブルックズ病院の臨床医は、患者が来院時にCOVID-19 の可能性のある症状を示すが確定的検査を受けていない段階で、従来より正確な診断への情報提供を支援する為、NCCID 画像に基づくアルゴリズムを開発している。胸部スキャン画像に表れるウイルスの兆候について、NCCIDで以前に見られたパターンと比較し、より正確な診断と予後予測ができる。

病気の初期段階を理解することにより、臨床医は早期の適切な医学的介入をより簡単に実施することができ、後の合併症の可能性を減らす。患者が危険な段階に達する前に酸素吸入と投薬を行い、 ICU 余力の必要性を予測し、それらの状況での病床とスタッフ体制の管理を可能にする。

医師がCOVID-19 患者の治療を改善する際に役立つ人工知能(AI)ツールを、University College London等ロンドン市内の大学やブラッドフォードの研究者開発する際にNCCIDが役立っている。上記データベースは、心臓病や癌など、感染症以外の多くの疾病に対処するAI技術の開発を目指す、全国 AI イメージング・プラットフォームが、データを安全に収集・共有できるように情報を提供する。

NCCID は、NHSX のNHS AI 研究室が進める効率化事業の1つである。NHS AI 研究室は、アクセス促進共同体(AAC)と国立衛生研究所(NIHR)と共同で、今年、1億4,000万ポンドの AI 助成制度を設立し、開始した。これは、AI 技術の便益を医療・福祉全般の患者やスタッフにもたらすことを目的としている。

[DW編集局]