[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2021/01/15
抄訳記事公開日:
2021/03/24

トランプ大統領が、宇宙ベースの測位・航法・タイミング(PNT)に関する大統領覚書(宇宙政策指令7号)を発出

Memorandum on Space Policy Directive 7

本文:

2021年1月15日付の大統領府による標記発表の概要は以下のとおりである。

この宇宙政策指令では、米国の国家・国土安全保障、民生、商業、科学の目的のための、米国の宇宙ベースの測位・航法・タイミング(PNT: Positioning, Navigation, and Timing)プログラムおよび活動の実施施策と指針を確立する。この政策は、2020年2月12日付の大統領令13905号(PNTサービスの責任ある使用による国家レジリエンスの強化)に記載されている指針、および2020年12月9日付国家宇宙政策に記載のグローバル測位衛星システム(GNSS)のセクター間指針を補完するものである。この政策は、2004年12月15日付の国家安全保障大統領指令-39号(米国の宇宙ベースのPNT政策)に優先する。

● 政策の目標と指針
この政策の目標は、サービス提供における米国のリーダーシップと、GPSや外国のシステムを含むグローバル測位衛星システムの責任ある利用を維持することにある。この目的のために、米国政府は以下を実施する。

  • 米国の宇宙ベースのGPSサービスと政府が提供する拡張機能への継続的な世界規模のアクセスを、直接のユーザー料金なしで提供し、これらのサービスを使用するための機器の開発と構築に必要な情報へのオープンで無料のアクセスを提供する。
  • 公開されている性能基準とインターフェース仕様に準拠して、民生、国土安全保障、国家安全保障のニーズを満たすべく、米国法に従って、全地球測位システム(GPS)を運用・維持する。
  • 航法戦の能力を向上させて、軍事または国土安全保障運用の領域外の民生PNTサービスへの民生・商業アクセスを不当に妨害することなく、米国政府の宇宙ベースPNTサービスの敵対的な使用を拒否する。
  • 米国および同盟国の国家安全保障、国土安全保障、そして民生目的と一致する中断や操作に対して、より抵抗力のある、より堅牢な信号の開発など、米国の宇宙ベースのPNTサービスの性能向上を図る。
  • GPS、その拡張機能、米国政府所有のGPS対応デバイスのサイバーセキュリティを改善し、(システムのグレードアップや、宇宙システムのサイバーセキュリティ原則、インターフェース仕様、ユーザー機器のサイバーセキュリティを規定するその他の指針の組み込みを通じて)、サイバーセキュリティ対応GPS対応システムの民間部門での採用を促進する。
  • GPSとその拡張機能によって現在使用されている周波数環境を保護し、米国の産業界と協力して、GPSとPNTの強靭性を高める可能性のある無線周波数の追加領域を調査する。
  • 国内の能力に投資し、GPSの有害な混乱や操作を検出、軽減し、それに対する強靭性を強化するべく、国際的な活動を支援し、重要インフラ、主要リソース、ミッションに不可欠な機能のためのPNT代替ソースを適切に特定して実装する。
  • 生活機能の安全性と運用効率を強化するべく、米国の重要インフラで使用するGPSとその拡張機能を維持する。
  • 国際的なGNSSプロバイダーと連携して互換性を確保し、価値観を共有する国々との相互運用性を促進し、民生サービス提供の透明性を促進し、米国産業のための市場アクセスを可能にする。GPSに基づくPNTサービス・システムの海外開発を奨励し、複数のPNTサービスを統合するシステムに不可欠な要素としてGPSを含めることを奨励する。少なくとも、すべての外国のシステムがGPSとその拡張機能と互換性があり、GPSによる軍事および民生の信号に干渉しないこと、米国の宇宙ベースのPNTサービスの敵対的な使用を防ぐために相互のセキュリティ上の懸念に対処することの確認を求める。
  • 大統領令13905号に準拠して、連邦、州、地方レベルでのアプリケーションに対する米国の宇宙ベースのPNTサービスや機能の責任ある使用を促進する。
  • 宇宙ベースのPNTサービスの提供、および安全で強靭なエンドユーザー機器の開発において、米国の技術的リーダーシップを促進する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]