[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構
元記事公開日:
2021/01/21
抄訳記事公開日:
2021/03/25

数理科学研究機関への資金支援強化

Funding boost for mathematical sciences institutes

本文:

2021年1月21日付英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

このほど決定となった資金支援を通じ、英国を代表する3つの研究機関の、数理科学へのアクセ拡大と人材育成を支援する。

この投資により、アイザック・ニュートン研究所(INI)、国際数理科学センター(ICMS)、ハイルブロン数学研究所(HIMR)は、教育・訓練を支援する幅広い活動を立ち上げ、拡大することができる。

この資金支援は、2020年に発表された数理科学向け追加資金支援・プログラムの3億ポンドの政府投資の一部である。

2021/21年~2024/25年までの5年間にわたり、UKRI傘下の工学・物理科学研究会議(EPSRC)と王立協会により資金支援する。当プログラムでは、世界をリードする英国の数理科学コミュニティを大きく後押しし、重要分野への支援を強化し、最先端の研究に参加して展開できる数学者集団を増大する。EPSRCは、ケンブリッジ大学が主導するINI、ヘリオットワット大学とエジンバラ大学が主導するICMS、ブリストル大学が主導するHIMRに、5年間で合計3,500万ポンドを割り当てる。

3研究機関の取り組みは各々次のとおりである。

● アイザック・ニュートン研究所(INI)

  • “Newton Gateway to Mathematics”などの活動を拡大する。数学へのアクセスを拡大し、数学のスキルが必要な分野での教育・訓練の支援を目的としている。
  • 英国全土に遠隔研究プログラムを提供する。
  • ICMS、アラン・チューリング研究所、HIMRなどのパートナー、および国際的なパートナーとのコラボレーションを強化する。
  • 参加を拡大し、平等・多様・包摂(EDI)に関する研究所の取り組みを強化する。それらは、ベストプラクティスに基づいて構築し、女性やその他の低代表グループの参加を増やすための新しい方式を模索し、資金支援の機会とトレーニングを増やす。
  • 研究教育と専門能力開発を支援する。

● 国際数理科学センター(ICMS)

  • 公募を通じて、学部、大学院、初期のキャリア研究レベルでの研究に焦点を当てた活動に資金支援を行う。
  • 英国全土でイベントを開催することにより、参加と多様性を拡大する。
  • ワークショップ・グループ研究プログラムを拡大して、世界中の数学者を結び付け、適宜オンライン参加の機会を発展させる。
  • 初期キャリアの研究者と中間キャリアの数学者を支援するために、さらなる取組を開始する。
  • 低中所得国の研究者を支援するために新たな訪問者プログラムを創設し、国際的研究者の英国での研究時間を拡大する。
  • 仮想フォーラム:数学における知識交流(V-KEMS)プログラムを継続し、知識交流(KE)活動の効果を最大化するための資源を提供し、ニュートン研究所とそのKE部門であるニュートン・ゲートウェイと協力して、知識交流のための全国拠点連携ネットワークを構築・実行する。
  • 人々の生活において数理科学の果たす役割および研究の性質・幅を伝える新しい活動を通じて、責任あるイノベーション、平等・多様性、包摂、市民関与に焦点を当てる。

● ハイルブロン数学研究所(HIMR)

  • 英国全体で資金支援を受ける博士課程院生の数を大幅に増やす。
  • ハイルブロン研究フェローシップの数を大幅に増やす。
  • 組織間流動性の事例を増やし、研究所の内部研究プログラムでより多くのプロジェクトを開始する。
  • 英国の他の地域への拡大を加速させる。
  • 英国の大学での研究活動に対する現在の資金支援制度を大幅に拡大する。
  • ICMS、INI、アラン・チューリング研究所など、他の機関とのコラボレーションを深めて拡張し、より多くの共同イベントを開催する。
  • 会議やサマースクールでの講義を記録することにより、より多くの数学者に活動を公開し、移動できない人々への利用機会を拡大する。

[DW編集局]