[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2021/01/15
抄訳記事公開日:
2021/03/29

米国の科学技術研究体制のセキュリティおよびインテグリティ強化のための推奨取り組み

Recommended Practices for Strengthening the Security and Integrity of America’s Science and Technology Research Enterprise

本文:

2021年1月15日、国家科学技術会議(NSTC)は標記報告書を発表した。同報告書は、NSTCの研究環境に関する合同委員会(JCORE)の研究セキュリティ小委員会が国家安全保障会議と調整の上作成したもので、国家安全保障大統領覚書第33号(NSPM-33)を補足するものとして位置付けられている。同報告書は、研究機関において推奨される取り組みとして以下の21項目を挙げている。

● 組織的な主導と監視の姿勢を示す
1) 幹部レベルで研究セキュリティおよびインテグリティの重要性を伝える
2) 研究セキュリティに対する組織的なアプローチを確保する
3) 研究セキュリティおよびインテグリティに関する作業グループとタスクフォースを設置する
4) 包括的な研究セキュリティプログラムを設立し、運用する

● 開放性と透明性への期待を確立する
5) 利益相反、責務相反、および開示に関する組織の方針を確立し、施行すること。
6) 潜在的な利益相反と責務相反を特定・評価するために必要なすべての情報の、機関への開示を要求する
7) 留学生および外国人研究者の情報の報告に関する国土安全保障省の要請の遵守を確実にする
8) デジタル永続識別子に関するポリシーを確立する
9) 外国からの贈与や外国との契約の報告に関する要請の遵守を確実にする

● トレーニング、支援、および情報を提供・共有する
10) 研究活動に関わる者に、責任ある研究行為についてのトレーニングを提供する
11) 外国政府が支援する人材採用プログラムへの参加を検討している者にガイダンスを提供する
12) 地域の連邦捜査局(FBI)現地事務所と連携して、研究セキュリティを強化する
13) 研究セキュリティおよびインテグリティに対するリスクを示す可能性のある状況や行動に対する認識と保護を強化する
14) 潜在的な開示ポリシー違反に関する情報を共有する

● 機関ポリシーを遵守するための効果的なメカニズムを確保する
15) 開示ポリシー違反や、研究セキュリティおよびインテグリティを脅かすその他の行為を発見するための効果的な手段を確立し、行使する
16) 開示ポリシー違反や、研究セキュリティおよびインテグリティを脅かすその他の行為への関与に対して、適切かつ効果的な処置を確保する
17) 研究セキュリティおよびインテグリティを支援する条項を雇用契約に含める

● 協働とデータに関連する潜在的なリスクを管理する
18) 正式な研究パートナーシップを評価するための一元化されたレビューおよび承認プロセスを確立する
19) 外国出張の評価とガイダンスのためのリスクベースのセキュリティプロセスを確立し、運用する
20) 外国人訪問者および客員研究員に関連する潜在的なリスクを管理する
21) 効果的なデータセキュリティ対策を確立し、維持する

[DW編集局+JSTワシントン事務所]