[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2021/01/08
抄訳記事公開日:
2021/03/31

第4期将来への投資計画(PIA 4):将来の世代に利する研究・イノベーションに200億ユーロ

4e programme d'investissements d'avenir (PIA 4) : 20 Md€ dans la recherche et l'innovation en faveur des générations futures

本文:

2021年1月8日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

2021年から2025年の4年間で200億ユーロが投資される第4期将来への投資計画は、すべて高等教育、研究、イノベーションに特化したものである。これは、フランスの独立性、競争力、ひいては雇用の維持の保証を目的としており、環境移行の取り組み遂行を可能にするものである。

PIA 4は簡素化され、国内各地域の現実をより適切に考慮し、環境移行、競争力、経済の独立性の課題に対応するものである。

PIA 4は、2022年までに110億ユーロを投入して、復興計画を支援するが、これは、政府による総投資の10%強に当たる。

PIA 4は、環境移行向けに、投資の少なくとも3分の1を割り当てる目標を設定した。プログラムの新しい優先イノベーション戦略の大部分は、環境移行(農業機械の変革、産業の脱炭素化、都市の変革支援等)に特化している。

本計画は、地域的側面によって特徴付けられる。各地域は、国のイノベーション加速戦略の策定と、開発されたイノベーションの有効性を実際の環境で試験できるようにするための「地域実証試験」の実施に関与する。PIAの地域対象部分は2億5,000万ユーロから5億ユーロとなる。

● いわゆる「指導付き」イノベーション構成要素に125億ユーロ

フランスが実際の能力を有している最も有望な市場では、あらゆる手段を動員する加速戦略が構築されている(資金支援、基準、規制、研究、人材育成など)。これらは、省庁間パイロットの枠組みの中で定義されている。目的は、新たな課題への対処を可能にする投資の優先事項を定義することにより、グローバルな競争に関連する課題に適応する能力を国が備えることである。したがって、PIA 4のこのいわゆる「指導付き」ロジックは、イノベーションの成熟度に応じて、開発段階にある企業や研究所を支援する目的で、いくつかの優先市場や技術を対象としている。

PIA 4からの125億ユーロは、これらの加速戦略の展開を目的としている。したがって、PIAにより、イノベーションが出現し、成熟し、その有効性が証明され、市場でテストされる。

生産協定に関する作業において4つの国家戦略(水素セクター、サイバーセキュリティ、量子、デジタル教育)がすでに出現し、その他の11テーマ(デジタルヘルス、バイオ製造、モビリティのデジタル化、将来の通信ネットワーク等)について協議が開始された。

● 長期的な研究・イノベーションの担い手にさらなる見通しをもたらすための75億ユーロ

政府はイノベーションと研究開発支出に力点を置き、高等教育機関(研究をおこなう大学、優秀な研究室)、研究・イノベーション機関(大学病院研究機関、技術研究機関)に75億ユーロの予算を割り当てている。

PIAは、安定した資金支援を通じて、高等教育、研究、イノベーションのプレーヤーの長期的な課題に対応する。PIA 4により、政府は、エコシステムおよび高等教育・研究・イノベーション組織に対して、永続的で予測可能な機関助成資金支援を保証する。目的は、フランスを学生、教師、研究者、起業家にとって欧州で最も豊かで魅力的な繁栄の地にすることである。

[DW編集局+JSTパリ事務所]