[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2021/02/02
抄訳記事公開日:
2021/04/06

2050年までに炭素排出量ネットゼロ達成への道筋を示すNASEM報告書

New Report Charts Path to Net-Zero Carbon Emissions by 2050, Recommends Near-Term Policies to Ensure Fair and Equitable Economic Transition and Revitalization of Manufacturing Industry

本文:

2021年1月5日付けの全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記記事の概要は以下のとおりである。

2050年までに米国で炭素排出量をゼロにすることは実現可能であり、気候変動に対処するだけでなく、より競争力のある経済を構築し、質の高い雇用を増やし、エネルギーシステムにおける社会的不公平に対処するのに役立つと、NASEMの新しい報告書「米国エネルギーシステムの脱炭素化の加速(Accelerating Decarbonization of the U.S. Energy System)」は述べている。報告書を執筆した委員会は、迅速な行動と積極的なイノベーションが必要であることを強調し、この移行の結果として生じる利益への公平なアクセスを確保し、脆弱な人々への損害を緩和し、意思決定への国民の参加を促し、米国の製造業部門を活性化するための近未来的な政策ポートフォリオを推奨している。

本報告書は、米国が炭素排出量ゼロに移行するための今後10年間の技術的な青写真と政策ロードマップを提示し、議会と行政府に対して、今後数十年間の経済全体の排出量予算を設定するよう求めている。また、この予算は、炭素1トンあたり40ドルの価格から始まり、毎年5%ずつ引き上げることで、炭素排出量を削減する経済的インセンティブを生み出し、エネルギー経済のあらゆる所でイノベーションを起こすことができると述べている。

政策立案者の指針となるよう、本報告書は2030年までに達成すべき9つの技術的・社会経済的目標を示している。

  • カーボンフリー発電
  •  輸送、建物、産業におけるエネルギーサービスの電化
  •  エネルギー効率と生産性への投資
  •  重要なインフラの計画、許可、構築
  •  イノベーション・ツールキットの拡大
  •  米国経済の強化
  •  公平性と包摂の促進
  •  コミュニティ、企業、労働者の支援
  •  費用対効果の最大化

[DW編集局+JSTワシントン事務所]