[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
原子力・代替エネルギー庁(CEA)
元記事公開日:
2021/01/15
抄訳記事公開日:
2021/04/12

機敏でカスタマイズされた「インダストリー4.0」

L’industrie 4.0, agile et personnalisée

本文:

2021年1月15日付原子力・代替エネルギー庁(CEA)の標記発表の概要は以下のとおり。

未来の工場、つまり「インダストリー4.0」のコンセプトは、2011年にドイツで初めて提案された。それは、標準化された大量生産から、小規模ロット生産で、かつ競争力のある、顧客のニーズに適合した生産に移行することである。そしてこれは、(CEAが1980年代から関心を持っていた)人工知能(AI)などのデジタル技術のおかげで、今日の革新的な手段を提供するものである。

プロセスのトレーサビリティとリアルタイム評価、例えば非破壊検査法で、高レベルの品質を維持しながら、生産ラインを柔軟に対応させるというアイデアである。その他の制御技術(データ分析、SHM)は、機械の性能を確保するための予知保全に役立つ。

未来の工場は、機敏かつ安全な方法で生産を管理するためのデジタル化されたインテリジェントな産業チェーンである。また、リサイクルや付加的製造による原材料の合理的な使用など、循環経済のよりグローバルなビジョンとともに、急務であるエネルギー効率を狙いとする。

● CEAの強み

CEAは20年以上にわたり、未来の工場に向けた幅広いデジタル技術を開発してきた。この研究は、産業界と協力して実施され、実際の産業プロセスを表すデータへの特権的アクセスを得る事ができる。これにより、シミュレーションデータを扱うことが多い学術研究とは区別される。

AIの原材料であるこれらのデータにより、フィールドで展開された時点でも堅牢性を維持できる学習方法やアルゴリズムを開発できるため、これは大きな強みである。

歴史的に、CEAのスキルベースは、原子力産業向けの活動に基づいて構築されてきた。それらは固体電子機器、計装・ロボット工学、画像・データ処理などである。これらの開発は、2000年代から多くの産業部門(石油・製油所、医療、農業食品、自動車、航空など)に提供されてきた一般的な技術基盤に進化した。これらのセクターはすべて、未来の工場へと変貌を遂げつつある。

● 未来の工場の課題

課題は明らかにフランス経済の競争力、つまり企業が変化する市場で成功し続けることを可能にする方法である。Covid-19危機は、医療機器などの戦略的製品を提供するために生産活動を適応させる必要性を非常に強く鮮明にしてきた。

AIのおかげで、ある製品から別の製品に切り替えるために複雑なプログラミングを必要としない、再構成可能なロボットツールをCEAは開発している。
同様に、CEAはデジタルファクトリー・ツインの開発に取り組んでおり、工場の設計のすべての段階と生産手段のすべての段階をシミュレートしている。目標は、人的・物的資源に基づいて製造を予測し、適応できるようにすることである。

[DW編集局+JSTパリ事務所]