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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2021/02/18
- 抄訳記事公開日:
- 2021/04/20
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NSF長官が米国の科学の未来に向けたビジョンを提示
- 本文:
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2021年2月18日付の米国科学振興協会(AAAS)による標記発表の概要は以下のとおりである。
NSFは、年間予算が80億ドルを超える独立の連邦機関であり、科学的発見、技術イノベーション、STEM教育の推進に取り組んでいる。パンチャナサンNSF長官は、2021年のAAASの年次総会本会議で、NSFの将来についてのビジョンを示した。同長官の優先課題には、研究コミュニティの多様化に加えて、グローバルなリーダーシップの確保と、科学に対する超党派の支援を活用することが含まれる。
「行方不明の数百万人」、つまり「研究コミュニティの人口構成と全国の人口構成との間のギャップ」を明らかにすることが最も重要である、とパンチャナサン氏は述べた。科学界は、STEMのキャリアにおいて、女性の数を早急に2倍にし、アフリカ系米国人の数を2倍以上にし、ラテンアメリカ人の数を3倍にし、ネイティブアメリカ人の数を4倍にする必要があると言う。全体として、この取り組みは、米国の研究体制に400万人の新たな参加者を加えることになる。
パンチャナサン氏によると、誰でも望めばSTEM分野に参入できるようにするには、新しい経路を構築し、既存の経路を強化する必要がある。NSFの包摂的大学院教育ネットワーク、マイノリティ参加のためのルイス・ストークス・アライアンス、その他の包摂性に焦点を当てたイニシアチブは、その基盤として機能する。パンチャナサン氏はまた、キャンパスでの多様性、公平性、包摂性の向上に取り組む大学を支援する “AAAS SEA Change”プログラムについても言及した。
パンチャナサン氏はまた、科学に限らず国際競争の激しい現状こそが、米国に開放性、透明性、公正性の価値観でリードする機会を提供していることを強調した。一方、あらゆる政治的立場の政治家が、科学的精神を引き続き評価し、研究コミュニティを国の将来のための重要な要素として認識している。
演説を締めくくるにあたり、パンチャナサン氏は、基礎的・基盤的研究および特定の成果を目的とした研究の両方を支援することによって、NSFが社会に利益をもたらし続ける必要性について述べた。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]