[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2021/02/03
抄訳記事公開日:
2021/04/22

COVID-19ワクチンへの信頼を高めるために意思決定者が取るべき行動

To Increase Confidence in COVID-19 Vaccines, Decision-Makers Need to Showcase Public Support, Leverage Endorsements, Focus on Hesitant Individuals, and Engage Communities

本文:

2021年2月3日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)の発表によると、COVID-19ワクチンの接種を促進するためには、意思決定者は、公的支援を示し、有名人の支持を活用し、躊躇する個人に焦点を合わせ、市民とのコミュニケーションに取り組む必要がある。発表の概要は以下のとおりである。

COVID-19ワクチンへの信頼を築くために、あらゆるレベルの意思決定者は次のことができる。

・COVID-19ワクチンの公的管理を許可・奨励する。
地域の監視委員会の設立、ボトムアップアプローチの実施、フィードバックの聞き取りとそれに応じた適応などの施策は、一般の人々を引き付け、ワクチンに対する信頼を高めることができる。
・否定論者に焦点を合わせるのではなく、予防接種の支援を強調する。
「ワクチン接種を受けました」ステッカーを配布したり、ワクチンを接種した人の数に関するリアルタイムデータを投稿したりするなどして、COVID-19ワクチンの支援と接種をより目立たせることで、他の人にワクチン接種が受け入れられるようにする。
・信頼できるワクチン支持者を活用する。
信頼できる有名人やコミュニティの名士によるワクチン接種と承認は、一般の人々にワクチン接種を受けるよう促すことができる。宗教指導者やビジネスオーナーなどの地元の名士は、彼らの教区民や顧客にワクチン接種を標準的なこととしてとして示すことができる。
・情報を伝える配信の詳細に注意する。
オンライン登録のポータルがクラッシュしたり、診療所が汚れていたり、ワクチン接種施設で人々が長時間待っていたりするなど、ワクチン接種の体験が好ましくない場合、人々はワクチン自体がよくないものだと考える可能性がある。
・透明でタイムリーな方法で有害事象に対応する。
ワクチンの副作用やまれに有害な結果について分かっていることと分かっていないこと、また何をすべきかについての、人々の理解を支援すること。
・その人の考えを前提に向き合い、全ての人を説得しようとしない。
予防接種に完全に反対しているごく一部の住民の説得にリソースを集中させないこと。代わりに、共感を活用して、躊躇したり懐疑的な人に働きかけること。
・虚偽の主張を蒸し返さない。
誤った情報を暴く努力は、誤った信念を強化するという意図しない効果をもたらす可能性がある。事実を強調すること。
・コミュニティ組織とのパートナーシップを形成する。
地方自治体は、近隣連合や信仰に基づくネットワークなどのコミュニティ組織との既存の関係を利用して、ワクチンを宣伝することができる。
・状況の変化にメッセージングを適応させる。
誰かのワクチンに関する判断に影響を与えるものは、分布、ウイルスに関する知識、感染率、メディア報道が変化するにつれて変化する可能性がある。
・特定の受け取り手に合わせてメッセージを調整する。
ワクチンのコミュニケーションには、対象となる聴衆の特定の懸念、動機、彼らが信頼する人物を反映する必要がある。メッセージは分かりやすく、専門用語を使わないものとする。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]