[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2021/03/24
抄訳記事公開日:
2021/05/11

欧州委員会が科学論文のオープンアクセス出版プラットフォームを立ち上げ

Commission launches open access publishing platform for scientific papers

本文:

2021年3月24日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。

欧州委員会(EC)は、誰でもアクセス可能な科学論文の出版プラットフォームである”Open Research Europe”を立ち上げた。このプラットフォームは、2021〜 2027年のEU 研究・イノベーション・プログラム Horizon Europe、およびその前身である Horizon 2020 によって助成された研究の成果を掲載するものである。

Open Research Europeは、すべての人、研究者、市民に、最新の科学的発見への無料アクセスを提供する。これにより、成果の再利用の遅れや障壁、高コストなど、科学的成果の公開に関連して頻繁に起こる主要な問題に直接対処する。このプラットフォームは、Horizon Europe および Horizon 2020 の受益者向けのオプションのサービスであり、受益者は費用負担無しで、即時のオープンアクセスを求めるファンディング要件に適合できる。

非常に多様な研究分野からの約40件の科学論文がすでに提出されており、科学界が読んだりレビューしたりすることが可能である。

● 科学出版プロセスにおけるオープンサイエンスと透明性の支援

「研究・イノベーションのための新しい欧州研究圏(ERA)」と題する政策文書では、ECは、科学、技術、工学、数学のほか、社会科学、芸術、人文科学のすべての主要分野にわたる Horizon 2020 および Horizon Europe のファンディングに由来する研究論文のためのオープンアクセス公開プラットフォームとして、Open Research Europeを紹介している。

Open Research Europe は、オープンで迅速かつ費用対効果の高い科学出版に資するだけではない。Horizon 2020 およびHorizon Europeの受益者は、彼等のファンディングの関連するオープンアクセス条件への準拠も容易になる。すなわち、Horizon Europe が要求する即時のオープンアクセスや、汎用リポジトリへの自動提出などである(Horizon 2020では6ヶ月~12ヶ月の公開猶予期間が認められていた)。Open Research Europe は、研究結果や洞察を迅速に共有し、オープンで建設的な研究討論を促進するための発表の場を研究者に提供する。このプラットフォームは、論文の科学的・社会的影響を測定し、それらの使用や再利用に関する情報を提供するという幅広いメトリックを備えている。

ECは、新しい役割を担うにあたり、オープンサイエンスの実践を積極的に支援し、出版プロセスの透明性を促進することにおいて模範を示すことを目指している。これには、他のファンディング機関、特に国レベルで同じことを実行するよう促す狙いがある。Open Research EuropeをHorizon 2020 および Horizon Europeに組み込むことにより、ECは学術コミュニケーションにおける革新的なソリューションを次なるレベルに引き上げる。

● 背景

現在、Horizon 2020 によってファンディングされているすべての発表論文の91%と、すべての査読済み発表論文の95%がオープンアクセスであり、世界的に見て非常に高い割合を占めている。それでも、目標は、ECの研究ファンディングを受けたすべての学術発表論文がオープンアクセスになることである。特に、Horizon Europe の目標は、発表論文が発表された瞬間からオープンにアクセスできるようにすることである。これは、プラットフォームにより可能になる。

[DW編集局]