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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2021/03/25
- 抄訳記事公開日:
- 2021/05/11
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コロナ・パンデミックが児童や青少年に与える心理的影響
Wie belastet die Corona-Pandemie Kinder und Jugendliche psychisch?
- 本文:
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2021年3月25日付の児童・青少年心理学が専門のジルビア・シュナイダー(Prof. Silvia Schneider)教授とのインタビューの概要を以下の通り報告する。
コロナ・パンデミックが児童・青少年の心理にどのような影響を及ぼすかについて、ルール大学(ボッフム市)で0から2歳の幼児について調査している。じっとしておらず、落ち着かせるのが容易でない場合があり、さらに情緒不安定で、簡単に泣いたり、ひきこもるという症状が見られる。例外的な状況では、幼児の睡眠障害という重要な観察がなされた。夜間度々目覚める、これは子供たちに負担がかかっていることを示している。ここで理解しておくべきことは、これが全ての子供達に当てはまるというわけではなく、3分の1の子供がストレスに対しネガティブな行動変化で反応しているが、他の子供たちは、心理的に驚くほど健康で、親と一緒にいることで、うまくストレスの処理ができていた。
児童や青少年の心理面の反応をどのようにそれを検知し、負荷を測定するポイントは、子供たちが抱える不安、コロナに罹患する不安、腹痛など身体的な症状などがある。小さな子供については、両親と離れなければならない不安などで気付くことができる。睡眠障害は子供たちが負荷を感じていることの兆候でもある。
子供たちがコロナ禍でどのような課題に直面しているかについては、大人数で会うことのできない中で、試行錯誤しながら小さなグループに留まり、可能であれば、新しい人々との接触を最小限に抑える必要がある。私は、多くの若者が新しい生活様式とうまく付き合う方法を学び、親元を離れることなど、自らのニーズを満たす方法を見つけることができると確信している。
児童や青少年への短・長期的な影響については、コロナ禍がどのような長期的な影響を与えるかについては、しばらく注視し続ける必要がある。精神疾患を含む長期的なコロナ症候群が将来も存在するかについては、現時点ではわからない。我々がコロナ禍にどう対処するかにかかっているが、知識を共有して対処することができれば、精神状態と心理的回復力に、非常にポジティブな影響を与える可能性がある。子供や青少年を支援する親への助言については、最も重要なことは会話することである。各家庭のルールをつくり、それらの規則を守ることは当然のことであるが、できるだけ従来からの日常の行動を維持すること、すなわち朝起きて服を着る、朝食を取る、決まった時間に昼食を取り、散歩などを通して社会的なコンタクトを保つことが必要である。自信を持ち、余裕を持つことが重要で、ワクチン接種の拡大により、いつか完全にコロナ禍を克服できることは明らかである。
教師のサポートをどのようにするかだが、これに関してはオンライン授業をベースとしながらも生徒との触れ合いを維持することが教師にとっては大事なことである。生徒には、将来のことについてやさしく伝えることが全ての子供にとって極めて重要である。未来を予見することが子供達に安心感を与える。
もし負荷が非常に大きくなり子供達に変化が見られたら、、地域にある家族および両親を対象とした教育相談所へ、またドイツ心理学会(DGPs)のウエブサイトからも助言が得られる。 [DW編集局]