[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学審議会(NSB)
元記事公開日:
2021/03/04
抄訳記事公開日:
2021/05/12

NSBがレビュープロセスにおける少数者問題や幅広い影響への取組みを決議

NSB passes resolutions to address Missing Millions & deliver research benefits across America

本文:

2021年3月4日付けの国家科学審議会(NSB)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NSBのビジョン2030では、米国の科学技術事業への女性や少数民族の参加を促進し、研究成果がすべての米国人に行き渡るようにすることが緊急の課題であると強調している。先週、NSBはこの2つの目標を推進するための2つの決議を行った。 1つ目の決議は、無意識の偏見に対処し、提案審査員の心構えを改善することを目的としており、もう一つは、社会に貢献する研究提案のより幅広いインパクト(BI:Broader Impacts)の可能性を高めることを目的としている。両決議案は、12ヶ月以内に評価を行い、NSBに報告することが求められている。

1つ目の決議「メリットレビュー・プロセスにおけるピアレビュー改善のためのトレーニング」は、国立科学財団(NSF)は長官に対し、レビュアーが責任を果たすための心構えを最大化するために、義務的なトレーニングなどのポリシーを実施するよう求めている。NSFのトレーニング・ビデオは、これらの責任に関する重要な要素についてのガイダンスを提供しているが、視聴したことのあるレビュアーはわずか20%となっている。

もう一つの決議「訪問委員会(COV:Committees of Visitors)に従事するBI専門家」は、NSF長官に対し、BIに関する専門性がCOVに含まれるための計画を策定するよう求めている。COVは、NSFとNSBによる既存のプログラムやプロセスの評価や、NSFの将来の方向性に資する、外部専門家の評価や提言を提供する。

最近のCOV報告書では、書面審査においてレビュアーが研究申請のBIと知的メリット(IM:Intellectual Merit)の目標を議論する方法の違いに注意を促しBIの分析はIMの分析に比べて、より大雑把で厳密ではないと指摘している。それでも、この方法でレビューされたかなりの数の申請が、資金提供に値すると評価される状況が続いている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]