[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2021/03/31
抄訳記事公開日:
2021/05/26

ファクトシート:米国雇用計画

FACT SHEET: The American Jobs Plan

本文:

2021年3月31日付の大統領府による標記発表の概要は以下のとおりである。

大統領の「米国雇用計画(American Jobs Plan)」は歴史的な公共投資であり、主に米国の生産性向上と長期的な成長への一時的な資本投資で構成されている。本計画は、米国のインフラをグレードアップし、製造業を活性化し、基礎研究科学に投資し、サプライチェーンを補強し、介護インフラを強化するため、GDPの約1%を8年間、総額約2兆ドルを投資する。具体的には次の6項目の計画が示されている。

  • 世界クラスの輸送インフラの構築:高速道路の補修、橋の再構築、港、空港、輸送システムのグレードアップ
  • クリーンな飲料水インフラの再構築、電力網の更新、すべての米国人への高速ブロードバンドの提供
  • 200万を超える住宅および商業ビルの建設、保存、改築:米国の学校、コミュニティ・カレッジ、早期学習施設の近代化、退役軍人の病院や連邦政府の建物のグレードアップ
  • 雇用創出および必要不可欠な在宅介護労働者の賃金・福利厚生の引き上げによる、介護経済インフラの強化
  • 研究開発への投資、製造業と中小企業の活性化、未来の仕事に向けた米国民の教育
  • 労働者が、自由で公正な選択をして、組合を組織し、雇用主と団体交渉することを確保しながら、安全で健康的な職場で一般的な賃金を支払う質の高い雇用の創出

(上記のうち「研究開発への投資、製造業と中小企業の活性化、未来の仕事に向けた米国民の教育」について、概要を以下に記す。)

■研究開発と将来技術に対する投資
研究開発への公共投資は、将来のブレークスルーの基盤を築き、時間の経過とともに新しいビジネス、新しい雇用、より多くの輸出を生み出す。米国は、過去25年間で、GDPに占める研究開発公共投資の割合が減少した数少ない経済大国の1つである。21世紀の経済で勝ち残るために、バイデン大統領は、米国全土で、研究者、研究所、大学に対する投資を回復させる必要があると考えている。大統領は議会に対して次のような1,800億ドルの投資を求めている。

  • 重要技術における米国のリーダーシップを推進し、米国の研究インフラをグレードアップする。
  • 気候分野の科学、イノベーション、研究開発における米国の主導的地位を確立する。
  • 研究開発と科学・技術・工学・数学における人種・性別の不平等を排除する。

■米国の製造業と中小企業を改革し、活性化させる
米国の製造業は、企業の研究開発支出の70%、生産性向上の30%、輸出の60%を占めている。製造業は、研究・イノベーションを持続的な経済成長に転換するのに役立つ重要なノードである。バイデン大統領は議会に対し、次の目的で3,000億ドルの投資を求めている。

  • 必要不可欠な商品の製造サプライチェーンを強化する。
  • 将来のパンデミックから米国民を守る。
  • 連邦調達によるクリーンエネルギー製造を速やかに開始する。
  • 米国全土でのイノベーションと生産を支援する社会インフラを構築する。
  • 国内メーカーによる資本へのアクセス機会を増やす。
  • 中小企業のインキュベータ・イノベーションハブの全国的なネットワークを構築する。
  • 農村部や部族のコミュニティと協力して、米国の農村部で雇用と経済成長を生み出す。

■労働力開発への投資
バイデン大統領は議会に対し、十分なサービスを受けられていないグループを対象とした実証済みの労働力開発プログラムに1,000億ドルを投資するよう要求している。このプログラムは、高校を卒業する前に学生をキャリアへと導くものである。

  • 雇用創出の取り組みと次世代教育プログラムを組み合わせる。
  • 十分なサービスを受けていないコミュニティにおける労働力開発の機会を目標とする。
  • 現存する労働力開発・労働者保護システムによる能力を構築する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]