[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構
元記事公開日:
2021/04/06
抄訳記事公開日:
2021/05/27

未来の技術を創出するパートナーシップ

Partnerships to create technologies of the future

本文:

2021年4月6日付英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

9件の新たなパートナーシップにより、英国のさまざまな企業や学界からの世界クラスの専門能力を結集して、未来の技術を開発し、新しい雇用を創出する。

9件の「繁栄パートナーシップ」は、企業、大学、UKRI からの7,500万ポンドの投資を受ける。
・UKRIの工学・物理科学研究会議(EPSRC)は、長期の「繁栄パートナーシップ」イニシアチブを通じてプロジェクトに2,300万ポンドを投資する。
・さらに260万ポンドが、UKRIのバイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)を通じて2件のパートナーシップに投資される。
・産業界から現金および現物出資で3,800万ポンド、大学から1,100万ポンドの投資を受ける。

● 各パートナーシップの概要

・Ultraleap 社とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)
このプロジェクトでは、人が仮想3Dオブジェクトやホログラムを「感じる」・「聞く」・「見る」ことを可能とする音響技術を開発する。

・Lubrizol 社とノッティンガム大学・ワーウィック大学
化学企業のLubrizol 社は、ノッティンガム大学およびとワーウィック大学と提携して、特殊化学産業を脱炭素化するという野心的な使命を果たす。

・GSK 社とフランシス・クリック研究所
新薬の開発は長期の複雑なプロセスである。このパートナーシップは、最先端のゲノミクスと機械学習(ML)技術を次世代の化学およびケモプロテオミクスと統合させて、成功の可能性が高いターゲットの選択を加速させる。

・EDF社、ブリストル大学、マンチェスター大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)、科学技術施設会議
このプロジェクトでは、世界をリードする専門知識を活用して、デジタル・ツインの主要コンポーネント(物理エンティティの仮想モデル)を開発する。これらは、原子力発電所などのエネルギー発電機のコンポーネントの状態、およびそれらの保守・修復作業の必要性を評価するために使用できる。
原子力産業のサプライチェーン組織と協同する事により、物質の初利用から最終段階までの挙動をシミュレートするデジタル手段を開発する。
アラン・チューリング研究所、ヘンリー・ロイス研究所、科学技術施設会議コンピューティング局の専門能力を動員する。

・BBC、サリー大学、ランカスター大学
ユーザー毎の嗜好とデバイスに合わせてメディア体験を調整する事業は、2030年までに10万人の雇用を創出し、英国で年間20億ポンドの成長を促進する可能性がある。
このパートナーシップは、この分野でのBBCの先駆的な研究に基づいて、視聴覚人工知能(AI)とソフトウェア定義ネットワークに関する大学の専門知識を動員し、大規模試験の駆動力を活用して構築される。

・FUJIFILM Diosynth Biotechnologies 社、エジンバラ大学、マンチェスター大学、ヨーク大学(BBSRCが共同出資)
このパートナーシップは、最先端のツールと合成生物学を活用して、細胞からの生物学的薬剤開発の向上を図り、生産をより効率的にする。
このような薬剤は、異なる材料からの遺伝物質を統合する事で致死的疾患の治療を一変させる。

・Shell 社、インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)、Diamond Light Source 施設
CO2 ネットゼロへの道は、生成から貯留までのエネルギーサイクル全体、および炭素回収などの緩和措置の両方において、新技術によるイノベーションや最適化を必要とする。このパートナーシップは、これらのシステムの効率、安定性、寿命の向上を目的としている。

・Unilever 社、リバプール大学、オックスフォード大学
このパートナーシップは、世界の化学物質サプライチェーンを変革することにより、英国の2050年のネットゼロ目標達成の支援を目的としている。研究者が、炭素回収やその他の再生可能な原料などの、幅広い用途に利用可能な廃棄物から、持続可能な材料を設計・発明するのに役立つ新しい科学プラットフォームの開発を目指している。

・M Squared 社、AstraZeneca(AZ)社、国防科学技術研究所(Dstl)、サウサンプトン大学(BBSRCが共同出資)
このパートナーシップは、さまざまな症状の治療における新薬候補の有効性評価に使用される画像技術に革命を起こすことを目的としている。

[DW編集局]