[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2021/04/29
抄訳記事公開日:
2021/06/01

バイエルン州のマーティンスリート・キャンパスを生命科学研究のトップ拠点にする

Top-Adresse für Life Sciences-Forschung

本文:

2021年4月29日付のマックスプランク協会による標記発表の概要は以下のとおりである。

近い将来、生命科学は、優れた研究者を惹きつけるという観点や、対応する魅力的なインフラを備えるとい観点からも科学競争における焦点となるであろう。そこでマックスプランク協会(MPG)は、マーティンスリート(Martinsried)のキャンパスをドイツおよび欧州の範囲を超えて、生命科学の旗艦サイトとして、さらに発展させることを計画している。バイエルン州は州議会の承認を条件として、今後10年間に最大5億ユーロを助成する。マルクス・ゼェーダー(Markus Söder)州首相とマルティン・シュトラートマン(Martin Stratmann)MPG会長は、この計画宣言に2021年4月29日マックスプランク・ハウスで調印した。

マーティンスリートは欧州のバイオテックの中心となっており、学術研究、医学、産業の緊密なネットワークが特徴である。今日では合計100の企業が立地している。ここを拠点とする中小企業の大多数は科学機関からのスピンオフであり、その多くはマルティンスリートのマックス・プランク生化学研究所およびマックス・プランク神経生物学研究所から生まれている。

このような背景から、マックスプランク神経生物学研究所とゼーヴィーゼン(Seewiesen)のマックスプランク鳥類研究所が統合して、新マックスプランク生物学的知性研究所として発足させ、今後数年間で更なる部門も加わって拡大する予定である。マックスプランク神経生物学研究所は、過去20年の間に神経回路研究の先進的センターの一つへと発展してきた。

実世界における挙動についての理解が進むと、神経基盤のメカニズム研究の適切なコンテクストが得られる。一方、神経科学における技術的な革新により行動生態学の変化が期待できる。現場と研究室での、実験面と理論面での、補完的なアプローチを前進させる研究者間の交流により、2つの領域に対する新しいツールとコンセプトの導入が加速する。

マックスプランク生化学研究所は、4人のノーベル賞受賞者を輩出してきた。癌研究、タンパク質フォールディング、ナノマシーンなどの分野で成果を上げている。マーティンスリート・キャンパスにおける幅広いバイオ医学的・神経科学的研究は、新しい技術開発を扱っている研究者達によって補完されている。このことが、生物学的原理の理解とその適用における飛躍的な進歩の支えとなっている。

これまでガルヒング(Garching)・キャンパスにあったデータセンターを拡張して、マーティンスリートに追加の拠点を設置する予定で、分子構造分析、タンパク質ネットワーク、画像データおよび多次元挙動測定などの分野で、課題に対応するための新しい能力を保持する。科学と一般の人々のための交流センターをマーティンスリートの地下鉄駅の近くにつくり、建物は2023年以降建設の予定である。

[DW編集局]