[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2021/05/03
抄訳記事公開日:
2021/06/02

多剤耐性菌にも有効な抗生物質の研究

Forschung für resistenzfreie Antibiotika

本文:

2021年5月3日付のドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記発表の概要は以下のとおりである。

多剤耐性菌と効かない抗生物質―これはホラーシナリオである。新薬は、世界で目下年間70万人という死者が発生している問題を解決する大きな希望となる可能性がある。

多くの製薬会社では、多剤耐性菌にも有効な抗生物質の研究は、時間が長くかかり、コストがかさむとして敬遠されている。そこでBMBFは、特に見込みのある研究プロジェクトを助成する。何よりもエイバクター社(aBACTER)の研究がそれに該当しており、単なる新薬以上のものである。以下にその新薬について述べる。

研究チームは、従来ガン治療に使われた薬剤が抗生物質特性を有し、化学的操作をすることで、多剤耐性菌に対して適用できることを発見した。発見と同時に、心内膜炎の治療用の抗生物質開発においてこのことを検証するために、科学研究のイノベーション潜在力の検証(VIP)プロジェクトである“aBacter”を2018年に開始した。

研究では、チームは科学、組織生物学、重量分析法の手法を組み合わせた。シュテファン・ジーバー(Stephan Sieber)教授は、「病原菌との戦いにおいて、従来の抗生物質とは決定的に違う新しい道を歩むことは、とても刺激的であった。VIP+プログラムにより、チームの基礎研究の成果を検証するための最適な基盤が提供されている」と語っている。

シュテファン・ジーバー教授と彼のチームは、大手製薬会社のメルク社(Merck KGaA)のFuture Insight賞2020を受賞した。以前彼らは検証プロジェクトの成果により50万ユーロの助成金をバイエルン州省のm4Award公募から受けている。次の開発ステージでは、100万ユーロの助成金で進行中である。

[DW編集局]