[本文]

国名:
フランス
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2021/04/21
抄訳記事公開日:
2021/06/10
元記事の言語:
フランス語

フランスにおける高等教育・研究・イノベーションの現状(2021年4月版)

L'état de l'Enseignement supérieur, de la Recherche et de l'Innovation en France (n°14 - Avril 2021)

本文:

2021年4月21日付で高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)が公表した標記文書から、特に研究・イノベーションに関する部分を抜粋・要約して以下に記す。

● 論文発表を通じた世界におけるフランスの科学的地位
他の研究集約国と同様に、世界の発表論文におけるフランスのシェアは、新たな科学大国の出現とともに減少している。2019年、フランスは世界的な発表論文への参加に関して8位であった。その発表論文の平均的なインパクトは、上位15か国の中で9番目の位置にある。国際共同発表の割合は、英国と同等で、ドイツよりも高い。EU諸国と米国は、その主要な科学的パートナーである。

● Horizon 2020 への参加を通じた欧州研究圏におけるフランス
2014年に Horizon 2020 プログラムが開始されて以来、フランスは一貫して研究・イノベーション向け欧州予算の3番目の受益国である。主要関心領域は原子力研究と宇宙研究の領域である。ドイツ、英国、スペイン、イタリアは引き続き主要なパートナーである。

● 発表論文を通じて見るフランス科学の特徴
フランスは数学における優れた専門性で抜きん出ている。医学、基礎生物学、物理学、地球・宇宙科学における研究の専門性は比較的緩やかである。フランスの発表論文全体に占める人文科学とコンピュータ科学の割合は、世界平均に達している。フランスの発表論文のインパクトが世界平均を上回っている3つの分野は、応用生物学-生態学、地球・宇宙科学、物理学である。

● フランスの技術的地位
2019年、フランスは(その出願の5.7%を占める)欧州特許庁(EPO)で公開された特許出願で4位から5位に下がった。国際共同発明のシェアは18%で、ドイツを上回っている。それらの特許は、輸送、機械部品、その他の特殊機械、測定技術の技術に集中している。

● フランスのイノベーション企業
2016年~2018年の間に、フランスに設立された10人以上の従業員を抱える非農業営利企業の41%がイノベーションを達成した。情報通信セクターは最も革新的であり、イノベーション企業の69%を占めている。イノベーション企業の割合は、その規模とグループ形成に伴って増加する。

● 若手イノベーション企業
研究開発を行う中小企業の設立と発展を促進するべく、若手イノベーション企業(JEI)の資格が創設された。2018年のこれら企業の国内研究開発支出は12億4,700万ユーロ(2017年比で8%増)であり、主にサービス部門に集中している。

● 研究開発の人的資源
2018年には、フランスで63万400人が研究開発活動に従事し、その3分の2が研究者で、残りの3分の1が研究支援スタッフである。女性は全研究スタッフの32%を占めているが、研究者は28%にすぎない。10人の研究者のうち、6人が企業で、4人が行政機関で働いている。

● フランスにおける研究開発の取り組み
2008年~2018年の間に、国内研究・開発支出(DIRD)は年間1.6%増加した。つまり、GDP(+ 0.9%)よりもはるかに高い割合で増加した。このダイナミズムは企業によって推進された(年平均+ 2.0%)。一方政府機関のDIRDは年平均0.8%しか増加していない。DIRDは2018年にGDPの2.20%、つまり518億ユーロを占めた。企業は、フランス国内で実施される研究開発業務の66%を実施している。

● 国内研究開発支出
2018年には、2017年と同様に、6つの研究部門(自動車、航空・宇宙、科学・技術専門業務、製薬、情報処理・情報サービス業務、化学)が企業の国内研究開発支出の半分以上を占めている。公共部門では、研究機関(EPST、EPIC)が行政の国内研究開発支出の53%を実行している。

● 政府の研究支出
2018年、研究開発に対する政府の国内支出は179億ユーロに達し、2017年比で1.3%増加した。フランスの公的研究の主要なプレーヤーとして公共機関が54%を占めている。国内研究開発支出が58億ユーロの、国立科学研究センター(CNRS)および原子力・代替エネルギー庁(CEA)民生部門が公的研究のほぼ3分の1を実施している。

● フランスにおける企業研究開発の資金支援と実行
2018年、フランスに拠点を置く企業は、国内研究・開発支出(DIRD)の57%を占めている。企業の研究開発支出全体の86%、つまり345億ユーロは、フランスに所在する企業によって賄われており、7%(26億ユーロ)は公的資金によって賄われている。残りは外国由来の資金である。

● 公的研究機関の研究開発業務への資金支援
2018年、政府の研究開発業務(208億ユーロ)は、国の予算配分によって60%、自己資金(その半分は受託契約によるもの)によって40%が賄われた。

● 研究に充てられる社会・経済的目的の予算
2020年に、研究・高等教育省際ミッション(MIRES)は、149億ユーロの研究予算をまとめた。これらの予算のほぼ90%は、公共サービス任務に対する補助金として研究・高等教育実行機関に割り当てられている。70億ユーロ以上が基礎研究に充てられている。

● 研究費税額控除、企業研究開発の支援措置
2018年の研究費税額控除額は、研究費が65億ユーロ、イノベーション費用が2億5,000万ユーロ、回収費用が4,000万ユーロの合計68億ユーロであった。

以上のほか、「新材料・ナノテクノロジー」、「環境」、「企業におけるデジタル」、「人工知能(AI)」に関する研究開発について特に記されている。

[DW編集局+JSTパリ事務所]