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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
- 元記事公開日:
- 2021/04/26
- 抄訳記事公開日:
- 2021/06/15
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2021~2025 年政府・国立研究機構(ANR)間の目標・履行契約の締結
- 本文:
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2021年4月26日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。
MESRIのフレデリック・ヴィダル大臣と国立研究機構(ANR)のティエリー・ダメルヴァル会長兼 CEOは2021-2025年の国家とANR の目的・履行契約に署名した。これは、今後5年間のANRの行動の枠組みと戦略的方向性を設定するものである。
この新規目標・履行契約は、2021年~2030年複数年研究計画法に鑑み、ANR の使命を強化し、2027 年までに年間 10 億ユーロというANRリソースの大幅強化を目指す。したがって、同法に付属する報告書に明記されているように、「国および地方自治体によって実施される公共政策全般に対する研究の貢献を高めるべく」フランスのプロジェクトに対する研究資金支援領域においてANRの重要な役割を確認したものである。
ANRはまた、フランス復興計画および(フランスの研究における新しい成長モデルの促進を目的とした)将来への投資計画ム第4期(PIA4)の実施において政府と協力している。
本 目標・履行契約は、6つの軸を中心に展開される。その戦略的方向性と目的は、2019 年に Hcéres 評価委員会によってなされた勧告も考慮に入れている。
1) 研究をあらゆる次元で支援
すべての科学コミュニティに資するべく、ANRは、自由な「研究者主導」を基盤とする科学的創造を促進し、パートナーシップの枠組みにおいては、パートナーシップ研究の熟成・支援措置により、研究とイノベーションとの間の繋がりを強化し、コロナ危機の文脈で実施されたような具体的な対応能力を育成する。若手研究者への支援も、引き続きANRの資金支援活動の優先事項である。
2) 全国レベルでのパートナーシップの強化
ANR は 15 年間にわたり、他のファンディング機関や研究機関と戦略的パートナーシップを築いてきた。目標は、可視性を向上させ研究室向けファンディングへのアクセスを簡素化するために、国レベルおよび各地域とのこれらのパートナーシップを強化することである。
3) 欧州協力および国際協力の促進
フランス研究の影響力を高めるべく、ANR は、欧州および国際的なファンディング機関と共に積極的な役割を果たし、その資金を戦略的協力に集中させ、研究ユニットや機関の欧州・国際戦略を支援する。また、欧州レベルでのフランスチームの地位強化にも力を入れる。
4) 責任ある研究実施の推進
ANR は、科学的公正性、オープン サイエンス、ジェンダー平等に取り組んでおり、研究ユニットから社会全体に至るまで責任ある研究の実施を推進している。質の高い選抜、持続可能な開発、成果の共有、科学文化の普及、参加型研究の推進を引き続き強化する。ANRとそのスタッフは、品質、公平性、透明性という 3つの基本的価値を認識している。
5) プロジェクトのモニタリングと事後評価の強化
ANR は、候補プロジェクトと採択プロジェクトの両方について大量のデータを収集する。それによって、研究提案の進捗を分析し、それに割り当てられた資金の効果を測定するという使命を強化する。
6) 研究および受益者に役立つ業務の最適化
運用の簡素化と最新化は、研究者やパートナーとのコミュニケーション・対話の強化と同様に、ANR内で重要な位置を占めている。研究と受益者に利するべく、これらを最適化することにより、その運用効率を継続維持することを目指す。ANRはファンディングへのアクセスを容易にする機関でなければならない。
[DW編集局+JSTパリ事務所]