[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2021/05/19
抄訳記事公開日:
2021/06/21

社会のための科学:2021~2030年複数年研究計画法に由来する措置

Science avec et pour la société : les mesures issues de la LPR

本文:

2021年5月19日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

複数年研究計画法 (LPR) は、科学、研究、社会の間の相互作用の発展を優先目標にしている。
課題は 2 つあって、一つは民主的な議論を行い、公的決定を支援すること。2つ目は、誰もが自分の周りの世界を理解し、参加できるようにすること。

政府が提示した「ロードマップ」の目標は、科学と社会そして研究者と市民の間の約束を結びなおすことを目的とし、それによって科学と社会、研究者と市民との関係をより親しみやすく、科学とは何かへの理解を深め、信頼と相互主義を浸透させることである。

● 科学コミュニティの取り組みを評価・奨励する

研究者の取り組みの評価策
・科学的仲介活動に対するCNRS褒章の新設
・参加型研究に対する国立農業・食料・環境研究所(INRAE)賞の新設
・フランス大学学士院 (IUF) に「科学的仲介」に特化した講座の新設。2021 年推進策では 4 件の講座、2023 年には 10 件の講座が設置される。
・さらに、各機関の複数年目標・履行契約、研究拠点契約に、科学と社会の関係に関連する施策を取り込む。

各大学拠点の支援を受けたイニシアチブのネットワークで、科学的専門知識と地域の特異性に可能な限り近く、公的、民間、団体の関係者と連携するMESRI が指定したプロジェクトは、ファンディングを受けることができる。

推進、評価、展望のミッションに対する国レベルの支援措置
・MESRI による全国的な推進活動で、各大学拠点が主導する地域ネットワーク由来のイニシアチブ、および全国レベルのイニシアチブを、各機関と連携して促進する。
・研究・高等教育評価高等評議会(HCERES)による評価。
・国家科学・技術・産業文化会議(CNCSTI)により委任された将来展望ミッション。
・欧州・国際的プログラムとの連携。

● 2021年から開始され2030年まで定常化する前例のない予算配分

この新しいアプローチは、科学と社会の関係を優先課題にすべきとする政府の期待を反映している。この公共政策にこのような予算が充てられることは、これまでになかったことである。

300万ユーロで、全国ネットワークの設置に 260 万ユーロなど、新規プロジェクトの出現を支援する。

国立研究機構(ANR) 配分予算の 1%を科学、研究、社会の間の対話の長期的なファンディングに割り当てる。

将来への投資計画第4期(PIA4)からの支援
「あらゆる形態のエクセレンス」プロジェクト公募の一環として、各機関・各大学拠点は、イノベーションおよび経済・社会全体への影響の観点からプロジェクトを提案できる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]